青蛾館より
猫目電球
全骨類の少女たち
書簡演劇
寺山修司は映画監督として認識していただけだった。
不勉強だったことを恥じる。歌人、劇作家として著名人だった。
その視点の斬新さ、というか、シュールな作風は、短編にも表出している。
「世界中の電球が消えたら、一匹の猫を探し出せ」から始まる「猫目電球」
「演劇にも個別訪問演劇が出てきはじめたように、美術でも配達美術(メール・アート)というのが流行りだしたとしても、何の不思議もないはずなのだが。」で終わる「全骨類の少女たち」
「フレドリック・ブラウンの小説に、ある男に見知らぬ差出人から毎日手紙がとどき、それによって次第に人生が変わってゆくという短篇があるが、私もそうした『手ごたえのある』演劇に興味を持ち始めたという訳なのだ」という「書簡演劇」
詩 時間割 意味理解できず
短歌
テーブルの上の荒野 抄
人生はただ一問の質問にすぎぬと書けば二月のかもめ
何とも解釈のしようがないというか、いろんな解釈の仕方があり過ぎて、というか。
これが寺山ワールドか。
解説 影を踏む 池内治