寺山修司 ちくま日本文学 1935-1983

青蛾館より

 猫目電球

 全骨類の少女たち

 書簡演劇

 

寺山修司は映画監督として認識していただけだった。

不勉強だったことを恥じる。歌人、劇作家として著名人だった。

その視点の斬新さ、というか、シュールな作風は、短編にも表出している。

「世界中の電球が消えたら、一匹の猫を探し出せ」から始まる「猫目電球」

「演劇にも個別訪問演劇が出てきはじめたように、美術でも配達美術(メール・アート)というのが流行りだしたとしても、何の不思議もないはずなのだが。」で終わる「全骨類の少女たち」

フレドリック・ブラウンの小説に、ある男に見知らぬ差出人から毎日手紙がとどき、それによって次第に人生が変わってゆくという短篇があるが、私もそうした『手ごたえのある』演劇に興味を持ち始めたという訳なのだ」という「書簡演劇」

 

詩 時間割 意味理解できず

 

短歌 

テーブルの上の荒野 抄

 人生はただ一問の質問にすぎぬと書けば二月のかもめ

何とも解釈のしようがないというか、いろんな解釈の仕方があり過ぎて、というか。

これが寺山ワールドか。

 

解説 影を踏む 池内治