ウィリアム・ハーベイ 『やはり心臓はただのポンプだ』 科学史のヒーローたち3  平見修二


1994 年 5 月 15 日 第 1 刷発行
1578-1657
心臓と血液の流れのしくみ こんなに分かり易く説明してくれた本は初めてだ。
① 血液(青い血)は静脈を通って心臓の右心房(青い血)に入る。
② 同時に肺動脈を通って左心房(赤い血)に入る。右心房と左心房は同じ大きさ。
③ 弁が開き、右心房の青い血は右心室に、左心房の赤い血は左心房に移動。
④ 弁が閉じ、右心室の青い血は肺動脈へ押し出され肺に到着する。左心室の赤い血は大
動脈を通じて全身に流れる。
⑤ 肺に流れる青い血(静脈血)と、全身に流れる赤い血の量(青い血は①の右心房に戻
る)は同一。
⑥ 青い血(静脈血)は肺動脈を通り肺に入って酸素を取り込み、赤い血となって②の左
心房に戻る。
ケンブリッジの後にイタリアのパドマ大学でファブリチオ教授の下で学んだ後にイギリスに戻り国王のチャールズ 1 世のお抱え医師となった時、動脈と静脈が繋がっているという世紀の大発見をする。但し肺で酸素を受け取っていたということまでは発見できず、これが発見されるのはそれから約 100 年経過した後のことだった。最後に疲れ知らずの心臓が 1日に運ぶ血液の量は 8 トン(ドラム缶 40 本分)。したがって 100 年のうちに 30 万トン(巨大タンカー)だそうだ。心臓をいたわってあげないといけないですね。本当に。