豪姫夢幻《下》 中村彰彦

2007年11月20日発行

 

宇喜多秀家関ヶ原の戦いで敗れ落ちのびた。秀家を救った者に匿われ、豪姫に秀家の無事が告げられた。秀家は大阪から島津に逃れることにし、大阪で豪姫と再会し永久の別れとなる。秀家は自害したことにし、その証として差料の鳥飼国次が三左衛門のいう馬頭小宿の野鍛冶の家から発見され、自害したとの三左衛門の話は信用された。豪姫は喪に服した。八郎と万丸を差し出せとの家康の命が豪姫に届き、2人の子供に洗礼を受けさせた。兄の前田利長のいる加賀に戻り、利長の臣下の一人高山右近と出会う。秀家が生きていることが分かり、2人の子と共に八丈島に流される。豪姫はキリスト教の洗礼を受け、洗礼名は「マリア」となった。前田家は幕府に逆らって絶縁に追い込まれるのを避けるためには豪姫に棄教させるほかなく、前田利常は豪姫の首に回されていた鎖を引き千切りクルスをむしり取った。教した。豪姫は切支丹であり続ければ八丈島にいる秀家父子を飢餓の淵に追い込まれるため泣く泣く棄教した。大坂の陣が開戦し、秀頼・淀殿は紅蓮の内に姿を消し、家康も亡くなった。秀家が八丈島で生きているとの報を聞き、豪姫は棄教してよかったのではとも思った。豪姫は秀家と男児二人の訃報を聞くことなく享年61歳で亡くなり、父利家も眠る前だけ墓所に埋葬された。

2007年11月20日発行

 

宇喜多秀家関ヶ原の戦いで敗れ落ちのびた。秀家を救った者に匿われ、豪姫に秀家の無事が告げられた。秀家は大阪から島津に逃れることにし、大阪で豪姫と再会し永久の別れとなる。秀家は自害したことにし、その証として差料の鳥飼国次が三左衛門のいう馬頭小宿の野鍛冶の家から発見され、自害したとの三左衛門の話は信用された。豪姫は喪に服した。八郎と万丸を差し出せとの家康の命が豪姫に届き、2人の子供に洗礼を受けさせた。兄の前田利長のいる加賀に戻り、利長の臣下の一人高山右近と出会う。秀家が生きていることが分かり、2人の子と共に八丈島に流される。豪姫はキリスト教の洗礼を受け、洗礼名は「マリア」となった。前田家は幕府に逆らって絶縁に追い込まれるのを避けるためには豪姫に棄教させるほかなく、前田利常は豪姫の首に回されていた鎖を引き千切りクルスをむしり取った。教した。豪姫は切支丹であり続ければ八丈島にいる秀家父子を飢餓の淵に追い込まれるため泣く泣く棄教した。大坂の陣が開戦し、秀頼・淀殿は紅蓮の内に姿を消し、家康も亡くなった。秀家が八丈島で生きているとの報を聞き、豪姫は棄教してよかったのではとも思った。豪姫は秀家と男児二人の訃報を聞くことなく享年61歳で亡くなり、父利家も眠る前だけ墓所に埋葬された。