羊と鋼の森 宮下奈都

2016年本屋大賞、キノベス2016第1位、2015年ブランチブックアワード大賞受賞作。文章がとても美しい。一気に売れ出したようですが、それも当然ですね。
「明るく静かに澄んで懐かしい文体」「少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている文体」「夢のように美しいが現実のようにたしかな文体」。ピアノを調教する主人公の感じる音=文体を、的確に表現できる作者の語感は、敬服に値します。