ニュートン式超図解 最強に面白い‼ 次元 次元の考え方がゼロからわかる! 史上最強の入門書!! 監修:浅井祥仁

2020年10月15日発行

 

裏表紙

「第1章 これが次元だ! 次元は、空間や図形の広がりぐあいをあらわしている!

第2章 空間の次元 縦・横・高さとは別の向きの空間があってもいい

第3章 時間の次元 時間は、この世界の第4の次元だった!

第4章 高次元空間の世界 物理学者は、高次元空間があるはずだと考えている」

 

第1章から第3章までは復習。

第4章から最新物理学の内容。

重力の強さは電磁気力の1042分の1しかない。重力だけが圧倒的に弱く見える説明の一つとして超ひも理論がある。超ひも理論がなりたつためには宇宙は10次元時空(9次元の空間と1次元の時間)でなければならない。6次元はカラビ=ヤウ空間と呼ばれる特殊な空間に丸め込まれている。開いたひもはブレーンと呼ばれる膜のように広がる領域にくっついてしか動き回れないが、閉じたひもはブレーンにくっつく端がないためブレーンから離れて動ける。つまり閉じたひもである重力子は3次元の空間に縛られることなく余剰次元を動け、これが重力だけが圧倒的に弱い理由だと考えている。ADD理論は余剰次元の大きさで重量を薄めようとする理論だが、RS理論はウィークブレーンと重力ブレーンの間を曲がった余剰次元が繋いでいると考える理論で小さく曲がった余剰次元を考えることで重力を薄めようとする理論(曲がり方が激しい程余剰次元は小さくなる)。

万有引力(重力)

=G(万有引力定数6.7×10-1(N・m2kg-2)    質量M●→   ←●質量m

                              距離r

万有引力の法則が成り立つのは3次元空間だけで、ごく狭い領域では万有引力が正しいのかは分からない。余剰次元があれば近距離で重力が急に強くなる。したがってもし近距離で重力が急に強くなる現象を観測することができれば、余剰次元が存在することを示す強い証拠となる。現在LHC余剰次元を探る実験が行われている。この検証方法の一つとして余剰次元方向に動く粒子の痕跡を探すというものがある。この粒子はカルツァ・クライン粒子KK粒子と呼ばれ、KK粒子のうち余剰次元方向に動く重力子はKK重力子と呼ばれる。KK重力子LHCで発見可能な質量だと考えられている。

 

第4章は、知らないことがたくさん書かれていて、大変興味深かった。こういう本を読んでいると、LHC重力子が発見されるのもそう遠くないような気がします。