世界一わかりやすい 腕時計のしくみ 高木教雄

2022年12月30日初版第1刷発行

 

帯封「長年かけて手に入れた人類の英知 複雑な機械式時計の“動く”メカニズムをイラストつきできっちり解説!」「難解なパーツもスッキリ解説【香箱】ぐるぐると巻いた板が解ける力が機械式時計のパワーの源。【ひげゼンマイ】髪の毛のように細い核パーツ。弾力性で反復運動を繰り返す。【ガンギ車】機械式時計の司令塔。規則正しい振動周期を歯車に送り込む。【テンプ】ひげゼンマイの反復運動を一定速度の振動に変換する要。」

表紙裏「燃料を使うことなくゼンマイを巻けば半永久的に動き続ける機械式腕時計現代社会に必要なエコなメカニズム!」

 

普段、毎日、腕につけている腕時計。でも、そもそも腕時計ってどうしてあんなに正確に動くのだろうか?これまで考えてもみなかったが、時計の内部が複雑な歯車ばかりで構成されているという程度の知識しかなかったが、この本を読んでみて、目から鱗が落ちたように、なるほど!と、何回か読み返していくうちに合点がいった。こういうわけできちんと時を刻み、秒針・分針が動き、時間を刻むんだ!ということを。

一言で私なりに理解したことを整理すると、要は、動力機構(香箱のゼンマイ)から力を輪列(2番車・3番車・4番車)に伝達し、調速機構(ひげゼンマイ)で全ての歯車の回転速度を正確に制御するという仕組みになっている。この基本構造は3回読んでも理解できなかったが、4回目読んだ時に、なるほど!とようやく理解できた。ガリレオが発見した振り子の等時性を、板バネを螺旋状にしたゼンマイの伸縮でも振り子の等時性が成り立つことをフックが発見しこれが腕時計の原理につながっている。

指先でつまんで回して針を動かす部分は「リューズ」。定番機能の「デイト表示」「自動巻き」「耐震装置」の解説や、ダイヤル(インデックス)、腕時計のつくり方に修理の仕方、最後は傑作ムーブメント10作品を紹介している。いずれも見とれてしまうほどの美しさだ。