蘇軾にみる逆境に在りて屈せず 左遷と粛清のリストラ時代をしたたかに生き抜いた宋の官僚の知恵 松本一男

平成8年6月発行

 

目次

第1章 官僚・蘇軾の波乱の生涯

第2章 詩人・蘇軾の人生観

第3章 蘇軾の生き方から何を学ぶか

 

・蘇軾の代表的な詩(南宋の謝枋得の編纂した『千家詩』)

 春宵一刻 値千金

 花に清らかな香り有り 月に陰有り

 歌管 楼台 声 細細

鞦韆(しゅうせん) 院落 夜 沈沈

・唐宋八家文の一人。当時の文壇の大ボス欧陽修を師とし、弟の蘇轍と共に殿試に合格した。

・ライバルは王安石。欧陽修は蘇軾と王安石の2人に期待を抱いたが、王安石は欧陽修の反対を押し切って新法を断行した。蘇軾は王安石の最大の政敵となった。蘇軾は王安石の改革は法律による強制だと考えて対立した。王安石一派でなければ出世が覚束ない時期は蘇軾は地方の副知事として赴任した。蘇軾は投獄も経験し、王安石が新法の評判が悪く引責辞任すると、蘇軾は中央官僚として要職に就いたが、後に再び59歳で2度目の流刑に処せられた。再び復権して中央に戻ろうとした蘇軾だったが、66歳で都に戻る最中に病没した。