薔薇盗人2⃣ 浅田次郎

2003年8月30日第1刷発行

 

奈落

一部上場会社のエリート社員だった男が出世街道から途中で外され、ババを掴まされて、ある日、何故か未到着のエレベーターの扉が開いた状態で乗りこみ転落死した。その通夜の後、会社の女性社員たちの会話で男のことを論い、同期入社の2人の男が過去を語り合い、そして会長と社長との話し合いの中で、男の家族や過去、社長や会長の秘密が暴かれていく。結局、転落したのは男一人ではなく、会社そのものじゃないの?という余韻を残しながら全編会話文だけでストーリーが展開する。こういう手法自体は少々珍しいのかしら?

 

佳人

お嫁さんを紹介することが生きがいになっている母に、会社で部長を務める息子は、母が見つけた娘の相手として38歳の部下を紹介してみようという気になった。独身で出来る彼を海外に飛ばされるのを回避する意味もなくはない。クリスマスの時に家に読んだ時の吉岡の印象が好印象だったのか、妻も賛成してくれた。元旦二日に吉岡を呼び出し、母に会わせると、何と吉岡は母を見初めてしまった??二人で家を出ていこうとする姿を見て、息子と嫁は目を白黒させる。ババコン?って言葉は本当にあるのかしら。