悪魔判事 その2 2021年 脚本ムン・ユソク 演出チェ・ジョンギョ

カン判事が帰宅しないため、姪のエリヤが気を揉んでいた。手足を拘束されたカン判事はチョン・ソナがかつてメイドとして働いていたことを思い出す。彼女は屋敷の品物を盗む癖があり、カン判事に罪をなすり付けた。兄の母の遺品のネックレスをソナが盗んだとき、カン判事はソナに自分が好きなら飛び降りてと言って、2階の窓から飛び降りさせたことがあった。ソナは財団で地位を築き、失う物がないと強気なカン判事の言葉に挑戦状を叩きつける。ソナはオ裁判官に一番人気があるのはオ判事だと言ってみたり野心を煽ったりする。ガオンの幼馴染で刑事のスヒョンが何者か襲われ怪我をしたことで、ガオンはカン判事を疑ったが、犯人はカン判事ではなかった。チャ長官は、JUケミカルの裁判で、カン判事が証人にワイロを渡した疑いがあると発表すると、カン判事は送金の事実を認め、自分を裁いて欲しいと申し出るが、証人が登場し、生活に困っていることを知ったカン判事が援助しただけで、それも裁判終了後のことだったため、90%以上はカン判事に無罪の評決を下した。逆にその場でカン判事は社会的責任財団には着服の疑いがあると公表し、情報提供者に謝礼を支払うと公言した。大統領のホ・ジュンセは記者会見を開き、カン判事の情報提供を呼びかけ、サラムメディアグループの会長とミンボグループの会長はカン判事に情報を提供する。大統領から呼び出されたカン判事は大統領と一緒にいる場を突如配信し始め、カン判事の術中に嵌る。ガオンは両親が詐欺の被害にあい、命を落としたことがあった。ガオンが当時両親を死に追いやった犯人にナイフで復讐を果たそうとした時にガオンをとめたのはスヒョンだった。法に基づく裁きを下す必要があると主張するガオンをカン判事は刑務所に連れて行く。そこには両親を死に追いやった犯人のト・ヨンチュンが服役しているはずだった。がト・ヨンチュンを見ると、彼はト・ヨンチュンではなかった。服役囚すらすり替える権力の恐ろしさに、正義を振りかざすだけでは無力だということを思い知らされたガオンだったが、カン判事は、今度は公開法廷の場で、ガオンの両親が悪徳商法の被害者だったことを明かし、何も聞いてないガオンは利用されたことを知って憤る。ソナは財団への国民の厳しい眼が向けられている状況を何とかしようと、財団の理事長に全てをなすり付けて殺害した。理事長はソナになすり付けるつもりでメッセージを作成したが、ソナに都合よく編集され、すべての責任を取って理事長が自殺したことにされ、横領の罪は財団の横領に関する情報を寄せてくれた人々に被せ、新理事長にはソナが就任した。理事長に就任したソナはカン判事に会いに行くと、カン判事はソナの首を絞め、兄カン・イサクの母が残した遺品のネックレスをソナが首に着けていたため、これを捥ぎ取った。カン判事は、チャ長官が握る財団のメンバーの弱みを知ることで対抗できると考えていた。ガオンの師ミン最高裁裁判官は権力の横暴を恐れ公開裁判をやめさせようとしてガオンに裁判の情報を提供するよう求める。カン判事はガオンを仲間の元に連れて行く。カン判事が使っている調査員だけでなく、被告人の弁護士や性暴力の被害者、警察幹部などと初顔合わせする。そしてミンにカン判事に協力する選択をしたことを告げる。スヒョンがエリヤを連れて外出中、エリヤが暴漢に襲われ、カン判事がガオンと一緒に現場に向かい、姪に手を出した男の首を絞めたので、スヒョンはカン判事に銃を向ける。スヒョンはエリヤを襲った暴漢を逮捕する。ソナ理事長はカン判事らを宣伝に使う。チャ長官がソナの過去を調べ、かつてメイドとして働いていたことを掴む。チャ長官の秘書に25億ウォン相当の金塊をちらつかせ、ガオンの両親を死に追いやった詐欺師ト・ヨンチュンの行方を突き止めたガオンは夜一人でトに襲い掛る。騙し取った金はチャ長官に全て取られたと語るが、その時カン判事は家に火をつけ、同時に重ねた札束にも火をつける。トは家族の命より金を大事にする姿を見せ、家にいた妻と娘はカン判事の部下に救い出され、トは家族から見捨てられる。ガオンはトから回収した金を被害者の家に配り歩く。過激派ユーチューバーのキム・チュンシクは集団暴行を扇動した罪で法廷に呼ばれたが、最高裁の中で彼の支援者がデモを行ったために傍聴人なしで裁判が行われる。裁判の前にソナ理事長は彼とホ大統領の関係を仄めかし、カン判事に法廷で諭すだけで終わらせるようにと持ち掛け、カン判事は言うとおりに執行猶予付懲役刑を言い渡すと共に保護観察を命じ、電子足輪で常に公衆から監視される対象者となる。ソナ理事長の前にチェ長官が現れ、母や父そして前理事長が次々と死に、卑しい使用人としての過去を持つことに言及する。ソナは、カン判事が過去を暴露したと怒りに震え、殺害を口にする。カン判事の情報からチャ長官はソンアを追い詰めて息子の名誉回復のために利用し、カン判事のウィークポイントを探らせようとする。その一方で、ソンアはカン判事から屋敷に招かれ、ガオンが手作り料理でもてなされ、兄の母の形見のネックレスを彼女の首に掛け、協力を求められると、心が揺れる。翌日ソンアはチャ長官の前に、息子の裁判で大きな影響を与えた最初の証言者が実はカン判事に買収されていたことを教え、チャ長官に味方することを明らかにした。チャ長官はカン判事を公聴会に呼出し、ソンアが連れてきた証言者に話をさせると、何とその証言者は、自分はチャ長官から偽証をするよう強制されたと、全く打合せにない証言をし始め、続け様にカン判事はその場にト・ヨンチュンを登場させ、チェ長官が多額の賄賂を受け取るのと引換にトが刑務所に入らずに済むよう身代わりを用意したことを暴露した。チャ長官は一切の疑惑を否定し、検察に調べさせると言ってその場から去る。チャ長官は劣勢を挽回しようと、弱みを握る大統領を利用して味方に引き入れようとするが、大統領からチャの息子が麻薬の常習者だと言われ、しかも検察から告発状が多数届いているとの連絡を受けて万事休す。カン判事とガオンは窮地に陥ったチャ長官の執務室を訪ね、財団のメンバーの弱点を明かせば辞任で済ませると述べ、チャが考える時間を5分くれというので退出した直後、チャは拳銃で自殺する。

財団のメンバーの悪事に関する証拠ファイルが血を流して倒れているチャの身辺にあると考えて探したところに、銃声を聞きつけたスヒョンが執務室に駆け込む。スヒョンはガオンがその場にいるのを目撃して、何故彼がここにいるのか理解に苦しむ。スヒョンはガオンを執務室から外に出し、彼が現場にいた証拠を拭き取る。刑事としてやってはいけないことをやってしまったスヒョンは、ガオンに二度と会いたくないという。チャが握っていた秘密の資料は大統領の手に渡り、作戦は失敗してしまう。スヒョンはカン判事に、これ以上ガオンを巻き込まないよう忠告するが、カン判事は聞く耳を持たない。スヒョンはガオンの師ミン裁判官に事情を伝え、ミン裁判官はカン判事にガオンを巻き込まないよう伝えるが、カン判事はもはや手遅れだという。その後、何者かにミン裁判官は襲われ、弱みを握られたチャ長官を亡き者にすることに成功した大統領は財団のメンバーにカン判事を始末するよう命じる。ソンアはカン判事を見限り、カン判事の仲間を襲う。同じ頃、ガオンはミン裁判官が襲われたことを知り、ミン裁判官救出のために指定された貧民街に出掛けると、電子足輪をされていたはずのキム・チュンシクが再び暴徒と化して暴れ回り、ガオン自身も襲われかける。財団は特定の地域にウィルスが広まり、特別な処置を取っているとの嘘のニュースを流し、貧民街の人々を連れ去っていた。モデル裁判部の右陪席オ・ジンジュは財団のメンバーに騙されて偽ニュースの片棒を担がされ、ガオンから真実を聞くも、ガオンの話をすぐには信用しなかった。が自分の足で貧民街に行って現場を確認すると、ガオンの言っていることが本当で利用されていたことを知る。カン判事はソンアから呼び出しを受け、指定された廃棄ビルに行くと、カン判事の協力者を拉致して天井から吊るしていた。ソンアはカン判事に発砲し、腹部に命中させ、しかも吊るした仲間を転落死させた。誰もいない孤独を味わせようとするソンアにカン判事は最も残酷な方法で殺害すると告げる。一方でスヒョンは聖堂で起きた火災事件を調べ直し、新たな手掛かりを摑んだ。