2016-01-01から1年間の記事一覧

千里眼 松岡圭祐

岬美由紀というカウンセラーの、現実離れした、完全にありえない話の、そのちょっと手前あたりで上手に落とし込んでいく、爽快なエンタ―テーメント小説。シリーズ200万部はすごいですね。「千里眼」シリーズ初めて読みました。

最悪 奥田英朗

無縁だった3人が交差した時、運命は加速度的に転落していく。このミス第7位。が少々長い。

父・金正日と私 金正男(キムジョンナム)独占告白 五味洋治

長年のスイス留学を経験した長男ではなく、三男が北朝鮮の跡取りになったことで、複雑な心境だったろうと想像するが、このインタビューを読むと、意外と常識的な対応ができることに驚く読者が多いと思う。2012年の少し古めの本だが、北朝鮮と中国との微妙な…

ブラック・スワン 9.11-3.11インテリジェンス十年戦争 手嶋龍一

オーストラリアにはブラックスワンは実在するそうだ。ノンフィクション大作との帯封ではあるが、ビンラディンからフクシマに始まり本当にノンフィクションなのか判断がつきかねる。後に「宰相のインテリジェンス」と改題。アメリカにブラックスワンが舞い降…

代表的日本人 内村鑑三

1西郷隆盛(新日本の創設者)2上杉鷹山(封建領主)3二宮尊徳(農民聖者)4中江藤樹(村の先生)5日蓮上人(仏僧) 1908(明治41)年。 新渡戸稲造「武士道」、岡倉天心「茶の本」と並ぶ、日本人が英語で、日本の文化・思想を西洋社会に紹介した…

ダークゾーン 貴志祐介

1997年日本ホラー小説大賞、2005年日本推理作家協会賞長編賞、2008年日本SF大賞、2010年第1回山田風太郎賞受賞。とあるが、貴志祐介の作品群の中では、平凡な作品に入ると思われる。人間が変身して将棋の駒になるというところは少し面白いと思うが、その先の…

ウルトラダラー 手嶋龍一

北朝鮮による日本紙幣の偽札疑惑ってどこまで本当なの?それを教えてほしいです。

約束の海 山崎豊子

日米開戦後の捕虜第1号をモデルに、「櫻花 散るべき時に 散らしめよ 枝葉に濡るる 今日の悲しみ」という米国国立公文書館の機密資料から入手した捕虜の和歌の意味を読み解こうとして、著者が4部構成で書き表そうとしたうちの第1部である。これが著者の未完…

検事失格 市川寛

平成24年第1刷。実名告白。その勇気に拍手喝さいです。平成19年から弁護士に転職とのこと。上手くいっているのでしょうか?上手くいっているといいですが。

日本人の9割が誤解している糖質制限 牧田善二

人工甘味料はAGEを増やす。 尿アルブミンの値を計測することが重要。 冠動脈CTを行うべきだ。 胸部と腹部のCT、胃腸のカメラ、脳のMRIを年1回やれば早期発見が可能。 実行できるかどうかは自身のスケジュール管理と金銭状況によるんでしょうが、確かにやっ…

大放言 百田尚樹

25万部突破!だそうだ。 「労働」の深い意味が読み取れる、として囚人に与える最もきつい仕事の話があげられている。「穴を掘らして埋め戻させる仕事」。「この作業を延々と続けさせると、どんなに精神的に強い囚人も心が折れ、やがて肉体的にも崩壊する。…

推理小説 秦建日子

「アンフェア」、すべてここから始まった。2004年12月20日初版発行。

50歳からの出直し大作戦 出口治明

コインのネット販売を起業した石塚眞一郎氏との対談の中で、石塚氏が10枚の同じ種類のコインが入荷したときは一番質の劣ると思うものの写真を掲載している、そうすると、購入したお客さんの手元には写真よりいいものが届くという話が紹介されてます。 また行…

デフォルト(債務不履行) 相場英雄

第2回ダイヤモンド経済小説大賞受賞作。たしかデビュー作でした。好みが相当別れる作品のようですが、私は面白く読めました。

臨床真理 柚月裕子

2009年第7回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。臨床心理士が障害者施設の中で事件の深層に迫るサスペンス。読み応えあり。確かデビュー作でしたかね?

回廊の陰翳 広川純

「一応の推定」に比べると、平凡な作品ではないかと思う。京都の情況描写はうまい。京都に行ってみたくなる。でも仏教業界特有の話じゃないので・・

神様のカルテ 夏川草介

2010年本屋大賞第2位。現役医師の作者による、渾身の感動ストーリー。櫻井翔と宮崎あおいの共演の映画もヒット。ウィキによると映画鑑賞者の半分以上が中高生だとか。

慶應三田会 組織とその全貌 島田裕巳

第1章 総理大臣を支える三田会の実力 第2章 三田会はどう役立っているのか 第3章 三田会と創価学会 第4章 なぜ慶應は結束力が強いのか 第5章 他の大学は慶應に追いつけるか 2007年11月10日第1刷発行。古い本だが、面白い。

仮面病棟 知念実希人

2015年啓文堂書店文庫大賞ほか、全国書店で続々第1位。30万部突破。 現役医師の初の文庫書き下ろしだそうだ。病院内に籠城する犯人から逃れようとして、病院から脱出を試みるうちに外科医はある病院の謎を知ってしまう。ただし、読んでいる途中でどんな謎な…

下町ロケット 池井戸潤

神谷修一弁護士、かっこよすぎ。ロケット製造という超高度な技術でも実は最先端を行っていた中小零細企業が大企業を真の実力でギャフンと言わせる、誠に痛快なストーリーは、半沢直樹ばりですね。

語彙力こそが教養である 齋藤孝

愁眉を開く 河岸を変える 蟷螂の斧 怠け者の節句働き 士族の商法 小鼻をふくらます 機を見るに敏 水は方円の器に従う 過ちて改めざる、是を過ちという 惻隠の情 怒髪天を衝く 白髪三千丈 ドートマンダー・シリーズ ジャネット・イヴァノヴィッチ「私の愛した…

悪の教典(下) 貴志祐介

皆殺し、の迫力が凄すぎる。映画は見てないが、これって映画にしちゃっていいの?っていうか、映画にする必要あるの?って思った。

悪の教典(上) 貴志祐介

2010年宝島社「このミス1位」、週刊文春ミステリーベスト10国内部門1位、第1回山田風太郎賞受賞。サイコパスという言葉がぴったりくる、一見まともだが、実際には狂った教師のサイコホラー。

最強の人生指南書ー佐藤一斎「言志四録」を読む 齋藤孝

聖人は事を機先に見る(66頁) 憤の一字は、是れ進学の機関なり(159頁) 学を為すの緊要は、心の一字に在り。政を為すの著眼は、情の一字に在り(163頁) 箴は鍼なり。心の鍼なり(177頁) 一の字、積の字、甚だ畏る可し(227頁) 視、観、察(240頁) 本書…

本日は、お日柄もよく 原田マハ

「困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、 想像してみるといい。三時間後の君、涙がとまっている。 二十四時間後の君、涙は乾いている。 二日後の君、顔を上げている。 三日後の君、歩き出している」(322頁) 裏表紙にあるこの言葉と、「超…

人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊 井上智洋

「肩車効果」とういのは、「もし私が他人の人より遠くを見ているとすれば、それは私が巨人の肩の上に立っているからだ」というニュートンによって広められた言葉を語源とするらしいです(114頁)。勉強になりました。 もっとも、有用性と至高性という2つの…

神の法vs.人の法 スカーフ論争からみる西欧とイスラームの断層 内藤正典 阪口正二郎(編著)

少し古い本ですが、帯封の一節。 憲法学と社会学の共同作業による、比類なき一冊。最終章、樋口陽一氏を招いての鼎談は圧巻。 スカーフの意義、そしてそれを公共の場で着用を禁じるスカート禁止法のもつ意味、 そして、それを政教分離の観点、また社会学的観…

大絵画展 望月諒子

第14回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。ゴッホ作「医師ガシュの肖像」を盗み出すというだけのストーリーなら、タイトルの「大絵画展」はどういう意味なんだろう?と読み進めていくと、「大絵画展」とはそういう意味だったのか!と最後にわかる構成に…

日本人の誇り 藤原正彦

世界7大文明のひとつに数えられていた日本文明。その日本のよきところを回復せずにして現在の混迷した諸状況は変えられないと訴えかけている。東京裁判と南京大虐殺の否定こそがそのキモだと説く。筆者が100年戦争と主張する一連の歴史的経過に関して勉強…

民主主義という病い 小林よしのり

民主主義こそが最も素晴らしいというのは一種の洗脳教育の結果である、という筆者の主張は、結論だけ聞くと、違和感があるが、民主主義の成り立ち、アラブの春がもたらした現実を見ると、一定の説得力がある。国民主権ならぬ公民主権こそが日本に相応しいと…