ウイルスと内向の時代 コロナ後の大転換を 国家と個人はどう生き残るか 佐藤優

2020年6月30日

中国の取り扱いが門田隆将の書籍と正反対である。反対の見方を学ぶ重要性をつくづく痛感する。

 

一つにはロシアの1月28日「スプートニク」日本語版に掲載された公衆衛生の専門家でもあるゲンナジー・オニシェンコ国会院(下院)議員へのインタビュー記事。

オニシェンコ氏は、「ヘビはコウモリを捕食するため、これによって生じた突然変異が人間の間で流行しはじめた」と説明している。

 

謀略的情報についても、オニシェンコ氏のインタビュー記事で「科学者は今日、ウイルスの遺伝パスポートを集めたライブラリーを作成しており、これに照会すればいかなる専門家もウイルスが人為的に作成されたものか、それとも突然変異で発生したものなのかを見極めることができる。オニシェンコ氏は、中国で蔓延の新型ウイルスが人為的に作られたり、操作された人工物であることを裏付ける証拠は一切ないとの考えを示している」との内容がそれだ。

 

その上で人民日報が「感染症に対しては、人種も国境も関係なく世界保健機構(WHO)に呼びかけるように団結して、共に戦うべきだ。人種差別を煽り、中国を侮辱する言論をまき散らすのは、感染症との闘いに貢献している人々を傷つけるだけであり、国際社会にパニックをもたらし、共同の努力を破壊するだけだ」とする主張に対して、筆者は「この指摘の通りと思う」と述べている。

 

両方の意見を見たうえで、自分の考えを整理することの必要性を痛感した次第である。