2020年12月1日第1刷発行
帯封の
▽人間がAIに使われるという心配は杞憂にすぎない
▽デジタルが高齢者に使いにくいものであれば、改良すればいい
▽デジタル技術は「誰でも使える」ことが重要
▽デジタルは多く人々が一緒に社会や政治のことを考えるツール
▽インクルージョンや寛容の精神は、イノベーションの基礎となる
▽様々な学習ツールを利用して学ぶ生涯学習が重要になる
▽テクノロジーで解決できない問題に対処するために美意識を養う
ここに本のエッセンスがコンパクトに書かれている。
デジタル時代に、基本的なことを頭の中でどう整理すればよいのか、もやもやしていたので、そこについてズバリ書いてくれている、とても納得のいく一冊です。
本書の中には、
○プログラマー自身が、そのプログラムを使う人を訪問してヒアリングをすることで、おのずから誰にでも使いやすいものが生まれてくる。
○台湾で発行された振興三倍券。若者と年配者が共同でアイデアを出す場を設けて実現できた政策。紙でももらえるしカード情報に載せても使える。割合は半々。
○自身は3つの幼稚園と6つの小学校に通い、中学校には1年間だけ通い、ネットで自らの興味に従って研究。
○For the peopleからWith the peppleへ
○デジタル民主主義の根幹は「政府と国民が双方向に議論できるようにしよう」。
○PDISとPO(パブリック・デジタル・イノベーション・スペース「コラボ会議」とパーティシペーション・オフィサー=開放政府連絡人)
○自分と同じような考え方を持つ人たちのみと交流し一緒に働くことは、結局「エコチェーンバー現象」に陥る。異なる文化、異なる世代、異なる場所にいる人の話を聞き続けることで、自ずと「世界共通の普遍的な真実、普遍的な意見というものがある」ことを発見する。
○日本には「RESAS(地域経済分析システム)、通称リーサス」というシステムがある。非常に優れていて、大いに啓発された。
確かに、リーサスのホームページを見ると、驚く。正直、こんなに膨大なデータが誰でもいつでも取れて、自分の好きなように整理できて、考えるきっかけが身近に転がっているなんて知りませんでした。
それ以外にも、とっても視点とか、発想している内容とか、方向性とか、随所に納得がいきます。さすがに世界から認められた天才ですね。本当に。