「スティーブ・ジョブズ(アップル共同創業者)、エリック・シュミット(グーグル元会長兼CEO)、ラリー・ペイジ(グーグル共同創業者)・・・ シリコンバレーの巨人たちの裏には、成功の全てを知り尽くした「共通の師」がいた! ジェフ・ベゾス(アマゾンCEO)、シュリル・サンドバーグ(フェイスブックCOO)、セルゲイ・ブリン(グーグル共同創業者)、ベン・ホロウィッツ(『HARD THINGS』著者)他、シリコンバレー中の成功者に絶大な影響を与えた伝説のリーダーの「成功の方程式」!
話題沸騰10万部突破!」の帯封につられて購入。
損はなかった。
ビル「ああしろこうしろと指図するんじゃない。同じ部屋で一緒に過ごして、自分は大事にされていると、部下に実感させろ。耳を傾け、注意を払え。それが最高のマネジャーのすることだ」
どんな会社の成功を支えるのも、人だ。マネジャーのいちばん大事な仕事は、部下が仕事で実力を発揮し、成長し、発展できるように手を貸すことだ。
ビルは自分の後を継いでインテュイットのCEOになったブラッド・スミスに、毎晩眠りに就く前に、自分のために働いてくれる8000人のことを考えろと言った。
「1on1を正しくやる」と「スタッフミーティングを正しくやる」が、彼のマネジメントの最重要原則の筆頭にあった。
◎議論すべき「トップ5」を挙げよ
ビルはコンセンサスではなく、最適解を得ることを重視した。多くの学術研究が示す通り、コンセンサスをめざすと「グループシンク(集団浅慮)」に陥り、意思決定の質が低下しがちなことを、彼は直観的に理解していた。最適解を得るには、すべての意見とアイデアを俎上に載せ、グループ全体で話し合うのがいちばんだ。
どんな状況にも、誰もが納得できる不変の真理が存在する。これがシリコンバレーでよく使われる用語・コンセプトである「第1原理(ファースト・プリンシプル)」だ。
ビルが求めたコ―チャブルな資質とは、「正直さ」と「謙虚さ」、「あきらめず努力を厭わない姿勢」、「つねに学ぼうとする意欲」である。
チャールズ・ダーウィンの著書『人間の由来』の一節「成員の多くが高い愛着心と忠誠心、服従心、勇気、思いやりを持ち、つねに助け合い、全員のために自分を犠牲にする覚悟がある部族は、ほかの多くの部族に対して勝利を収める。これが自然淘汰である」
◎勝つだけでなく、正しく勝つ
「会社を経営するなら、本当にずば抜けた人材で周りを固めろ」とビルは言った。
ビルは4つの資質を人に求めた。まずは「知性」。さまざまな分野の話をすばやくとり入れ、それらをつなげる能力を持っているということだ。ビルはこれを「遠い類推」(かけ離れたものごとをつなげる発想)と呼んだ。そして「勤勉」であること。「誠実であること」。そして最後に「グリード」を持っていること。打ちのめされても立ち上がり、再びトライする情熱と根気強さだ。
ビルは代名詞にも注目した。「私」(自分第一主義の証)と「私たち」のどちらを多く使うか?
「チームの構成に細心の注意を払い、多様な才能が巧みに織り合わされたチームをつくれ」
189頁の「同僚フィードバック調査」は長いので引用しないが、本当に勉強になる。
「悲観ムードになったら、ストレスの根本原因を突き止め、それに働きかけろ。ただしそれだけにかかずらっていてはいけない。不満大会を長引かせるな」心理学者はこの手法を「問題中心型対処法」と呼ぶ。これに対するものが「情動中心型コーピング」(状況の捉え方を変えることによってストレスに対処する方法)で、解決が不可能な問題に取り組むときに有効だ。
「人を大切にするには、人に関心を持たなくてはならない」ビルは人を大切にした。どんな人にも敬意をもって接し、名前を覚え、温かい言葉をかけた。彼らの家族のことを気にかけ、言葉より行動でそれを示した。
ビルは”思いやりを職場に持ち込め!家族について質問し、彼らの名前を覚え、さらに質問をし、写真をじっくり眺め、なにより、気にかけるんだ”と。
書き切れない、素晴らしい、ビルの生涯。励まし。具体的な言葉にする。行動に移す。1兆ドルコーチ。というタイトルは本当ですね。
最後に帯封の裏側は「グーグルCEO絶賛!アップルCEO絶賛!ユーチューブCEO絶賛!フェイスブックCOO絶賛!」で締めくくられている。読んで損はない一冊でした。