東海道四谷怪談 金原瑞人

2016年3月10日第1刷発行

 

作者は四代目鶴屋南北。1825年、江戸中村座で初演。歌舞伎ではお岩と小平をひとりで演じ、更に与茂七も演じる。仮名手本忠臣蔵番外伝と作られていて四谷怪談忠臣蔵が交互に上演されていた。

蜷川幸雄演出、伊右衛門竹中直人、お岩を藤真利子が演じたDVD4時間ものをベースにある高校演劇部用のために文芸部がリライトしたという設定になっている。

赤穂藩の浪人・民谷伊右衛門はお岩の父に結納金が自身の盗んだ金であったのがバレて手打ちにしてしまう。お岩の妹お袖の許嫁の与茂七はお袖にぞっこんの直助に殺害されてしまう。お岩は師直の家来・伊藤喜兵衛から産後の疲れに効くと言われた薬を服薬し顔がただれてしまう。喜兵衛は娘のお弓・孫のお梅のため伊右衛門がお岩を捨ててお梅と祝言を上げるよう画策し、伊右衛門はあっさりとお岩を捨て去る。お岩は伊右衛門を恨みながら、倒れた先に小平の脇差が喉に食い込み死んでしまう。小平の脇差で死んでしまったことを理由に伊右衛門はお岩と小平が不義密通で成敗するといって戸板に二人を裏表にして打ち付けて江戸川に流してしまう。伊右衛門はお袖がお岩に見えて首を斬り落とす。

お袖は直助と形だけの夫婦となったが、いつしか真の夫婦となるや、化けて出て来た与茂七が、お袖は直助の妹である証拠を持ってきて直助は妹と枕を交わしたと知り自害する。死ぬ間際、直助はお岩や父親殺しの犯人は伊右衛門であり仇をとれと言って息絶える。最後は伊右衛門と与茂七が対決し、子年生まれのお岩の手下のネズミが伊右衛門に群がって食い殺す。原作ではお岩が伊右衛門の関係者を次々とたたり殺していくということらしい。

ドロドロ感溢れる怪談話でした。