なぜ独裁はなくならないのか 世界の動きと独裁者インタビュー 千野境子

2013年12月20日初版第1刷発行

 

表紙裏「古今東西、世界は多くの独裁者を生んできました。いったいなぜ独裁や独裁者はあとをたたないのでしょうか。人々が独裁をもとめるからか。あるいは人々が民主主義をもとめないからでしょうか。チュニジアの『ジャスミン革命』に始まる『アラブの春』、東欧の一党独裁ヒトラーの歴史的現象を追い、カストロ、ノリエガ、イメルダ夫人など、著者インタビューによる独裁的指導者の実像と今をさぐる。」

 

第1章 2011年「アラブの春」の衝撃 ドミノ倒しの独裁者たち

2011年1月14日 チュニジアジャスミン革命 ベンアリ大統領を追放(独裁23年)

          野菜・果物を無許可で売っていた26歳の青年が抗議の焼身自殺

    1月25日 エジプトのムバラク大統領が辞任(独裁32年)

    1月27日 イエメン・サレハ大統領退陣(独裁33年)

          リビアカダフィ大佐が惨殺される(独裁45年)

                   シリアのアサド政権下で内戦状態が続く

 背景にあるバーチャル・パワーは今日無視できない(ハーバード大学ジョセフ・ナイ教授)

第2章 冷戦とともに消えた東欧の独裁者たち

1989年6月4日 天安門事件ポーランド一党独裁終焉、ワレサ大統領誕生

   10月7日 ハンガリー一党独裁放棄

   11月9日 ベルリンの壁崩壊(東ドイツ・ホーネッカー書記長解任)

   11月10日 ブルガリア独裁終焉

   11月29日 チェコスロバキア共産党政権終焉(ハヴェル大統領誕生)

   12月25日 ソ連解体・消滅、ルーマニアチャウシェスク大統領銃殺刑

1990年ユーゴスラビア解体(セルビアのみ残り、スロベニアクロアチアマケドニアボスニア・ヘルツェゴビナモンテネグロコソボが相次ぎ独立)

第3章 私の会った独裁者たち

    パナマ・ノリエガ元最高実力者

    ニカラグアオルテガ大統領

    キューバカストロ国家評議会議長

    フィリピン・イメルダ・マルコス元大統領夫人

第4章 世紀の独裁者アドルフ・ヒトラー

    書かれた言葉によるよりもはるかに、話された言葉によって、人心を獲得することができるのだ。この世における偉大な運動は、偉大な演説家のおかげでその隆盛にいたったのであり、偉大な文筆家のおかげではない(『わが闘争』から)

第5章 アジアの開発独裁

    インドネシアスハルト政権(7選直後に失脚)、シンガポールリー・クアンユー政権、韓国の朴正煕政権、台湾の蒋経国政権、ミャンマーの軍事政権は共産党独幸とは異なる形態の独裁政権

 

 独裁政権に関する歴史の復習になります。コンパクトにまとまっており、分かり易く書かれていました。