2022年8月19日第1刷発行
帯封「暴力と不正義の連鎖は終わらない」「クーデターに反対する市民の姿を目の当たりにして、大義は民主化勢力にあると多くのひとは感じただろう。クーデターは失敗したと思ったひともいるはずだ。ところが事態は、期待した成り行きとは乖離したまま、現在にいたる。市民に暴力を振るってまで、軍はミャンマーの何をどうしたいのか。スーチーはなぜクーデターを防げなかったのか。民主化勢力に勝機はあるのか。国際社会は事態をなぜ収束させられないのか。これからこの国はいったいどこに向かうのか。(『はじめに』より)」
表紙裏「ひとつのデモクラシーがはかなくも崩れ去っていった。―2021年に起きた軍事クーデター以降、厳しい弾圧が今も続くミャンマー。軍の目的は? アウンサンスーチーはなぜクーデターを防げなかった? 国際社会はなぜ事態を収束させられない? 暴力と分断が連鎖する現代史の困難が集約されたその歩みを構造的に読み解く。」
目次
序 章 ミャンマーをどう考えるか
第1章 民主化運動の挑戦(1988⁻2011)
第2章 軍事政権の強権と停滞(1988⁻2011)
第3章 独裁の終わり、予期せぬ改革(2011⁻16)
第4章 だましだましの民主主義(2016⁻21)
第5章 クーデターから混迷へ(2021⁻)
第6章 ミャンマー危機の国際政治(1988⁻2021)
終 章 忘れられた紛争国になるのか
複雑すぎるミャンマーの歴史を押えた上でないと、今回のクーデターも理解できないし、この先の正しい展望も持つことは無理だ。それを意欲的に解き明かそうとしている本書だが、いかんせんミャンマーに関する私の基礎知識不足のため、理解したことを要約することができない。もっと初歩的なところからミャンマーを学ぶ必要を痛感する。