2022年10月20日初版第1刷発行
表紙裏「今日、日常生活はインターネットを抜きには考えられない。それに伴って、サイバー犯罪や、サイバー空間に絡んださまざまなトラブルに巻き込まれる危険性が高まっている。本書では、サイバー犯罪の現状と、これに対応するための法や規範について平易に解説する。政府や警察の施策、サイバー空間の健全化に欠かせない関係団体の活動等についても幅広く取り上げた。」
第1章 サイバー犯罪情勢
第2章 不正アクセス禁止法
第3章 コンピューター・電磁的記録対象犯罪
1 コンピューターウイルス罪
2 その他
第4章 ネットワーク犯罪
1 わいせつ物頒布等
2 児童ポルノ公然陳列
3 児童買春
4 青少年保護育成条例違反
5 出会い系サイト規制法違反
6 脅迫等
7 名誉棄損
8 ストーカー行為
9 リベンジポルノ
10 ネットいじめ
第5章 電子商取引をめぐる犯罪 その1
1 電子商取引(eコマース) 法律上の定義はないが、一般に、ネットを利用して商品やサービスの売買をしたり資金やデータを送信したりする経済行為のことをいう。
2 インターネットを悪用した詐欺罪等
アフィリエイト広告 ネットの成果報酬型の広告
ステルスマーケティング いわゆるヤラセ
3 インターネット通販の法的規制等
4 ビジネスメール詐欺
5 有料SNS・出会い系サイトでのトラブル
6 電子計算機使用詐欺
第6章 電子取引をめぐる犯罪 その2
1 商品の虚偽表示
2 迷惑メール
3 著作権法違反
第7章 違法コンテンツに対応する組織と法制
1 インターネット・ホットラインセンター(IHC)
第8章 情報の保護に関する法制
1 営業秘密の不正取得
2 クレジットカード番号情報の不正取得
3 個人情報保護法
4 マイナンバー法
5 公務に関連する情報の保護
6 情報倫理
①確証バイアス②認知的不協和③認知的完結欲求④エコーチェンバー(反響室)現象
第9章 サイバーテロ・サイバーインテリジェンス
1 サイバー攻撃
2 サイバー攻撃の手口
3 サイバー攻撃の情勢
4 スタックスネット
イランのナタンズ核燃料施設を狙った、ネットに接続していない産業用制御システムを乗っ取る標的型攻撃(USBメモリを施設内コンピュータに挿入する方法が用いられたと考えられている)
5 戦場としてのサイバー空間
米国サイバー軍の創設(2010年2月)衛隊サイバー防衛隊(2022年3月発足)
第10章 政府のサイバーセキュリティ政策と警察のサイバー犯罪対策
1 政府のサイバーセキュリティ政策
2 「世界一安全な日本」創造戦略
3 警察のサイバー犯罪対策
第11章 サイバー犯罪捜査
1 サイバー犯罪捜査の流れ
2 2011年の刑事訴訟法の改正
3 高度秘匿化技術の壁
Torトーア(匿名化技術)を用いることで接続できるダークウェブは犯罪の温床
第12章 国際協力
1 国際捜査の基本原則
2 サイバー犯罪条約
3 国外リモートアクセスをめぐる問題
最決令和3年2月1日は問題がありそうだ。
4 最近の動向―米国クラウド法の制定
著者は警視庁公安総務課長、警視庁警備企画課長、警視庁総務部長、警視庁警備部長等を歴任し、2020年1月警察庁政策立案総括審議官兼公文書監理官を最後に退官し、現在近畿大学情報学研究所教授。
この分野を網羅的かつ平易に分かり易く解説してくれている。大変ためになった。