2023年2月20日初版第1刷発行
はじめに/地図「アメリカの地域別宗教熱心度」
Ⅰ 現代アメリカの宗教模様
第1章 異質で奇妙な「神の国」アメリカ IT大国で9割の国民が神を信じている
第2章 アメリカの主要な宗教と教派 民族・人種の多様性を反映する宗教組織
第3章 時代で変わる宗教模様 「スピリチュアルだが宗教的ではない」という主張
第4章 4つの集団からなるユダヤ教 少数派だが影響力の大きい宗教①
第5章 異端視は薄らいだモルモン教 少数派だが影響力の大きい宗教②
・共和党のミット・ロムニーはモルモン教徒としてマサチューセッツ州知事に就任、2012年の大統領予備選で勝利し本選挙で破れたとは言えオバマと争った。2019年には上院議員に当選。
第6章 暴力的とみられがちなイスラム教 少数派だが影響力の大きい宗教③
第7章 移民の急増で伸張するヒンドゥー教 少数派だが影響力の大きい宗教④
・ジュリア・ロバーツが2010年にヒンドゥー教に改宗。ちなみにアンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ビット夫妻は仏教に改宗。リチャード・ギアもダライラマを師と仰ぐ。
第8章 西洋先進国で最も宗教的な国 「生活で宗教は重要」とする人は途上国なみの高さ
・ギャラップ調査(2010年)によると日常生活の中で宗教が重要と答える人
イタリア72%、アメリカ65%、ドイツ40%、フランス30%、イギリス27%、日本24%、日本の後に続くのはデンマーク、スウェーデン、エストニア。
・ピュー・リサーチの宗教事情の調査(2018年)で神を信じる人の割合
ジョージア99%、アルメニア95%、アメリカ6位(89%?)、ドイツ60%(22位)、イギリス58%(25位)、フランス56%(26位)
第9章 2000人が礼拝するメガチャーチ 新しい形の祈りの場①
・サドルバック教会のリック・ウォレン牧師は聖職者の間で最も影響力がある。
・次はポッターズ・ハウスのジェイクス牧師。トークショウの司会者等、多彩を誇る。
・3位はレイクウッド教会。単一の教会施設としての座席数1万6000人は全米最大。
第10章 インターネット利用のオンライン・チャーチ 新しい形の祈りの場②
・インターネット利用者の25%の2800万人のアメリカ人がネットの信仰活動を実施。一番大切なものは祈りで、2番目に大切なものはボランティア活動。
第11章 本来の祈りの場として復活したハウス・チャーチ 新しい形の祈りの場③
Ⅱ アメリカ史のなかの宗教
第12章 新大陸での植民地建設 信仰の自由を求めて新大陸へ
第13章 18世紀中ごろから大覚醒・信仰復興 「神の行商人」説教師の情熱
【コラム1】植民地での魔女裁判と犯罪行為
第14章 アメリカ革命・建国期の宗教 預言者・聖人とされたワシントンが導いた国
第15章 宗教的国家への道 「神に選ばれた民」を強く認識
第16章 信仰復興とカリスマ的説教師 伝道集会で次々と回心体験する人々
【コラム2】宗教界の頂点に立ったビリー・グラハム
第17章 海外伝道と領土的野心 領土拡大は神から与えられた運命
第18章 トクビルの見たアメリカの宗教 物質的な富も求めているクリスチャン
【コラム3】国民統合のシンボルとしての市民宗教
第19章 南北戦争とリンカンの信仰 国家統合には宗教的絆が必要
Ⅲ 宗教大国アメリカの諸相
第20章 スコープス裁判(モンキー裁判)と反進化論 今日も続く創造論対進化論の対立①
第21章 「創造科学」という新しい創造論の提案 今日も続く創造論対進化論の対立②
【コラム5】4割の人が進化論を信じない科学大国アメリカ
第22章 テーマパーク化した創造論 今日も続く創造論対進化論の対立③
第23章 ホーム・スクーリング 公教育に否定的な宗教保守派①
第24章 チャーター・スクールと教育バウチャー 公教育に否定的な宗教保守派②
第25章 宗教とは縁が切れない大統領 政教分離の実態①
・大統領就任式の宗教的特徴 ・大統領の宗教的な活動 ・対外関係に影響を与える宗教
・連邦議員の88%がクリスチャン ・少数派宗教の台頭
第27章 議事堂襲撃事件と宗教勢力 キリスト教ナショナリズムを信奉する暴力的極右団体の信仰心
・連邦議会議事堂襲撃という「クーデター未遂事件」 ・トランプ支持のキリスト教ナショナリズム ・議事堂襲撃の宗教的背景 ・大統領が問題のスピーチをした「セイブ・アメリカ」集会
Ⅳ 「戦争と平和」をめぐる宗教
第28章 ヒロシマ・ナガサキとアメリカのキリスト教 原爆投下の非人道性への賛否
【コラム6】戦争を正当化するキリスト教の正戦論
第29章 戦争に反対する信仰 非戦闘業務で兵役免除
第30章 歴史的平和教会とアーミッシュの反戦思想 殺されることも辞さない堅固な信仰
第31章 徹底した平和主義のクエーカー 男女・人種平等で先駆的な教派
第32章 非戦を貫徹するブレザレン 正当防衛でも暴力を否定する無抵抗の抵抗
Ⅴ 性的マイノリティと宗教
第33章 聖書の教えと性的マイノリティ 「同性愛は死刑」とする聖句の解釈
第34章 信教の自由を利用したLGBTQ差別 公民権法を超える平等法が必要
第35章 トランスジェンダーへの新しい差別 州レベルで多発する反トランスジェンダー立法
【コラム7】聖句とトランスジェンダー
Ⅵ 生と死をめぐる宗教
第36章 キリスト教は妊娠中絶を禁止しているか 聖書解釈で異なる立場
第37章 妊娠中絶に対する宗教界の立場 妊娠中絶観を変える教会と変えない教会
第38章 ロウ判決が覆ったことの宗教的・政治的意味 ドブス判決で50年間維持した女性の人権が否定された
第39章 安楽死・尊厳死と宗教 クリスチャンに死ぬ権利はあるか①
第40章 自殺と死刑をめぐる宗教 クリスチャンに死ぬ権利はあるか②
Ⅶ 日常生活にかかわる宗教
第41章 歴史にみる疫病と宗教 イエスは治療するメシア、奇跡を起こす治療者
第42章 新型コロナウイルス感染症をめぐる宗教 コロナは神の裁きとしての天罰
【コラム9】マスク着用の長期化と信仰上の懸念
第43章 気候変動に影響する聖書解釈 環境破壊の背景にはユダヤ・キリスト教
第44章 世界一のベストセラー 聖書 年間で8000万冊出版と推計
・聖書をもつ世帯は92%、アメリカ人の約3分の1は少なくとも週に1回は聖書を読む。エホバの証人88%、モルモン教77%、福音派77%。
・聖書に次ぐのは『風と共に去りぬ』、次が『ハリーポッター』シリーズ。
・ホテルに聖書を置く運動としてギデオン協会が20億冊を配った、刑務所にはプリズン・フェローシップが1億冊を配った。
・世界に7000を超える言語がある仲、全巻の翻訳が完了しているのは717言語。新訳だけなら1582言語で翻訳は完了。
第45章 セレブが愛する聖句のタトゥー 全身にキリスト教がらみの絵図と文字だらけの人も
第46章 聖書をめぐる謎と陰謀説 イエスは青森で死んだという伝承もあり
第47章 イエスの人種をめぐる論争 イエス白人説への疑問・反論
第48章 「クリスマス戦争」という「文化戦争」 「メリー・クリスマス」から「ハッピー・ホリデー」へ
【コラム10】歴代大統領の公式クリスマス・カード