2022年10月20日発行
第1章 南ヨーロッパの神々と神話
ホメロス『イリアス』『オデュッセウス』、ヘシオドス『神統記』『仕事と日』
カオス(原初神)から誕生したガイア(大地)が産んだウラノス(天空)の男根を切り落としたのがクロノス(破壊神)。なんで切り落とした?
クロノスとの激闘に勝利を収めたゼウス(主神)の目を盗んで人間に火を与えたプロメテウスの弟エピテメウスのものに送られたのがパンドラ。開けてはいけないといた壺をあけてしまい「災いのもと」が世界中に広まる。
ゼウスの兄であるポセイドン(海の神)、ハデス(冥界)。切り取られたクロノスの男根が海に放り投げられてわき立った乳白色の泡から誕生したアフロディテ(愛と美の女神)から生まれたのがエロス(恋愛の神)。
ゼウスから誕生した戦いの女神アテナ。双子のアルテミス(月の女神)とアポロン(太陽の神)。伝令の神ヘルメス。酒の神ディオニュソス(バックス)。ペルセウスのメドゥサ退治は有名。12の難行をクリアしたヘラクレスはギリシア神話最大の英雄。
ローマ人はギリシア文化を取り入れ、神話は一体化。
第2章 北ヨーロッパの神々と神話
『詩のエッダ』『エッダ』、キリスト教の影響を受けることなく北欧神話が残る。
巨人ユミルを、最高神オーディンら3兄弟が滅ぼし、ユミルの死骸を使って世界が作られた。世界樹ユグドラシルは、天上、地上、地下に伸びていて泉がある。
フィンランド神話は『カレワラ』にまとめられた(19世紀)
第3章 西ヨーロッパの神々と神話
ケルト神話(アイルランド最古のダーナ神族の物語)、アルスター神話、フィアナ騎士団の物語、マビノギの世界、アーサー王伝説
第4章 アフリカの神々と神話
ヘリオポリス神話(太陽神ラー)、冥界の神オリシスと再生の女神イシス、天空の神ホルスと破壊の神セトによる80年の激闘。
サハラ砂漠を境に北と南に分かれる多岐多様なアフリカ神話。
第5章 西アジアの神々と神話
世界最古のメソポタミア神話(英雄マルドゥク、豊穣の女神イナンナ、英雄ギルガメッシュ=不死を求める旅を通して名君に変貌、ウトナピシュティムはギルガメッシュに不死の秘密を打ちあける)、ウガリト神話(豊穣神バアル)、ペルシア神話(ゾロアスター教)
ノアの箱舟は聖書オリジナルではなく、ギルガメッシュ叙事詩の「ウトナピシュティムの洪水」の話をベースにしたものであることが1872年に明らかになる。
第6章 南アジアの神々と神話
インド神話は、最古の『リグ・ヴェーダ』『ウパニシャッド』『ラーマーヤナ』『マハーバーラタ』『ブラルマナ』『プラーナ』など文献が豊富。
ヒンドゥー教では、創造神ブラフマー、維持ヴィシュヌ、破壊シヴァを三神一体と呼んで信仰している。
第7章 そのほかの地域の神々と神話
東ヨーロッパにはスラブ神話、東南アジアは宗教のデパートの観、中国では神話よりも歴史や思想が重視。北アメリカではトーテムポールに象徴されるように家族の出自に関わる神話が多い。中南アメリカのマヤの神話は『ポポル・ヴフ』として記録され、オセアニアにはアポリジニ神話と島々に伝わるマウイ冒険譚が伝わる。
いやー、こんなに世界各地では多彩・豊富な神話があったんですねー。びっくりです。考えてみれば当たり前だったのかも。現代人は見えるものしか関心がなくなってしまい、見えないもの、思慮の届かないものへの尊崇の心がどこかへ消し飛んでしまったようです。古代の人を野蛮という一言では決して片づけてはいけない気がしますね。