絵で読む漢字のなりたち 白川静文字学への扉 文字解説白川静『常用字解』より 金子都美絵

2010年7月15日初版発行

 

帯封「松岡正剛氏序文-『すこぶる劇的な文字場面集』 ページを繰るたびにまるで古代中国を再現した芝居の舞台が展開されるように、漢字の意味意匠がとびこんでくる一冊なのである。(序文より)」「漢字は楽しい!強く麗しい文字のなりたちと生いたち。」

表紙裏「舞う文字、集う文字、祭る文字…。」裏表紙裏「闇に問い、風を見、神に歌う…。」

 

目次

序文 白川漢字世界観の入口 すこぶる劇的な文字場面集 松岡正剛(編集工学研究所所長)

一章 驚きの字源  年・委・季  祭・舞  幸・教  真・導・道  強・弱  開・閉  生・死  面・白  言・語  戦・争  保・育  

二章 漢字の世界観

(一)文字になった動物たち  善・美・義  集・進  騒・為  伏・家・器  逸・冤  麗・麓・鹿  解・劇・戯

(二)天に棲むもの  風・鳳  雲・云・申・神  虹・霓

(三)女性とシャーマン  女  安・婦  若・如  笑・歌  楽・療  媚・夢  

(四)目の呪力  見  望・臣  賢・監・覧  相・省・徳  

(五)生の儀礼  産  彦・文・爽  字・名  冠・妻・夫  

(六)古代の死生観  長  孝・考・老  卒・哀  環・遠  魄・魂

三章 カタチを読み解く  自・息  又・友・受  右・左・尋  問・暗・闇   

先・洗・前  身・包  今・吟・含・陰  皿・血・盟  正・征・政  吉・古・固

者・書   

おもう心  思・念・想・懐・憶

 

序文にあるとおり、「場面の文字絵」のような色のついた影絵で、ビジュアル的に白川学を感知させることに成功した見事な本だと思う。

たとえば、「文」の字のはじまりは人体に描かれた文様。「爽」・「爾」は、死んだ婦人に乳房に×をあざやかな朱色で描いた形で、文身のあざやなかことをいう、という解説をつけながら、見事な切り絵のような図が合わさって、一見してすぐに分かるような作りになっている。