三国志名臣列伝 蜀篇 宮城谷昌光

2023年2月25日第1刷発行

 

帯封「『無垢な人』劉備を愛した男たち 関羽 張飛 諸葛亮 趙雲」「関羽張飛は、顔をみあわせた。あれほど激しく怒った劉備をはじめてみた。政府のために誠意をもって戦ってきた劉備は、その政府の汚濁がゆるせなかったのであろう。―玄徳はめずらしいほど無垢な人なのだ。関羽はここで劉備の本性をみたおもいで感動した。けがれる一方の世で、どこまで無垢をつらぬいてゆけるか、それをみとどけたくなった。」

 

関羽孫権の騙し討ちのような手口により殺され、張飛が呉軍を討つために出発しようとした時に幕下の将である張達と范彊に殺された。劉備の子の劉禅には2人の皇后がいたが、張飛のむすめだった。諸葛亮は5回目の出師の際に五丈原で帯陣中に54歳で病没。馬謖が大失敗した時に王平だけはその戦術眼の良さと戦場における沈着冷静さを保ち、諸葛亮に褒められた。諸葛亮は魏を攻めながら自分の後の為政の席は蔣琬(しょうえん)に、その後は費禕(ひい)に、と未来図を画いていた。酔い潰れた費禕が刺殺され、その年から10年後に蜀が滅ぶ。費禕の士は蜀の滅亡のきざしと言えた。