人生を「私の履歴書」から学ぶ 「心の雨の日」には 吉田勝昭

2017年8月1日第1版第1刷発行

 

目次

はじめに

第1章 逆境・不遇にどう向き合うか

1.破産:①加山雄三 ②永野重雄

2.失意のどん底:①船村徹 ②倉本聰

3.失敗の連続:安藤百福

4.長く苦しいスランプ:①野村克也 ②君原健二

5.嫌な部署配属:①賀来龍三郎 ②犬丸徹三 ③渡文明

6.降格人事:八尋俊邦

7.左遷の連続:土川元夫

8.不本意な出向:①安居祥策 ②佐藤安弘

9.過酷なシゴキ:①大鵬幸喜 ②長嶋茂雄 ③稲尾和久

10.ガラスの天井を破る:篠原欣子

11.不況の活用:本田宗一郎

12.転職:①川口松太郎 ②井上貞治郎

13.懲戒解雇:①中邨秀雄 ②春名和雄

14.一人二役で超多忙:阿久悠

第2章 病やハンディキャップとの闘い

1.落第:蜷川幸雄

2.覚醒剤ミヤコ蝶々

3.虚弱体質:①石川六郎 ②三島海雲

4.病気:①福澤武 ②北裏喜一郎

5.吃音症(どもり):①田中角栄 ②ジャック・ウェルチ

6.帰国子女:柏木雄介

7.いじめ:①似鳥昭雄 ②井上礼之

8.劣等感:①萩本欽一 ②桂三枝

9.方言コンプレックス:①棟方志功 ②杉村春子

第3章 家庭・家族問題の悩みに対処する

1.二代目社長の悩み:①武田國男 ②梁瀬次郎 ③湯浅佑一

2.貧乏からの脱出:①大谷米太郎 ②遠藤実 ③市村清 ④江崎利一

3.ぐうたらと訣別:森繁久彌

4.妻の死:中村歌右衛門

5.事実婚の苦悩:①新藤兼人 ②市川猿翁

第4章 マイナスの境遇・運命を乗り越えて

1.数奇な運命:①山口淑子 ②木下又三郎

2.周囲の好意と協力:①竹鶴政孝 ②小澤征爾

3.実母に育てられなかった:①長谷川伸島田正吾

4.大震災:①早川徳次 ②伊藤保次郎

5.自暴自棄:石橋信夫

第5章 激動の歴史の中で生きる

1.日本でいちばん長い日の前後:①灘尾弘吉下田武三町村金五入江相政⑤竹田恒徳⑥鈴木俊一

2.財閥解体野田岩次郎

3.皇室の財産分離:河野一之

附章1 「私の履歴書」登場者一覧

附章2 「私の履歴書」50音順名簿

おわりに

 

・順風満帆の人生を送っているのだろうと思っていた人たちが、共通して、どん底を経験して這い上がってきている、という事実は、大変、勇気づけられた。

 加山雄三さんはパシフィックホテル茅ケ崎が23億の負債を抱えて倒産、18億で売却され、経営陣の一員として巨額の債務を抱え、多くの人が手のひらを返すように去っていく中、ナイトクラブやキャバレー回りも積極的に行い、質素な生活を続けて10年で完済。

大鵬は母子家庭で大変貧しく幼い頃に納豆を売り歩いていた。

長嶋茂雄も夜中の1時2時に苦闘してバットを振った。自分との技への血みどろの格闘を一人で必死にやっていた。

萩本欽一はコメディアン修行をはじめて3か月ほど経ったとき、演出家から「君は才能がないからやめたほうがいい」と言われて落ち込んやめようとしたとき、親切な仲介者が励ましてくれた。「光るものがないなら、誰もやらないことを地道にやって先を走る人たちをじわじわ追い掛ける。それしか方法がないんだと覚悟を決めた」

・8月15日の玉音放送直前、聯合国の「隷属する」を「制限下におかれる」、「国体」を「最終の日本国の政府の形態は」と意訳した下田武三外務事務次官。直訳していれば徹底抗戦派が戦争継続を主張することは明らかだったので、命がけの交渉だったと思われる。