京城クリーチャー 2023年(全10話)

1945年、日本統治下の京城(現ソウル)。日本軍は“全軍退却命令”を下し、多くの遺体を処分し爆弾を仕掛けてすべての痕跡を消した。加藤中佐は血清と納人(ナジン)を確保し施設を後にする。施設の奥で何者かが暴れていた。質屋”金鈺堂”の社長チャン・テサンは石川警務官から妻との不倫を疑われ拷問を受けた。石川警務官の真の狙いは行方不明の愛人明子を捜し出すことだった。石川警務官は期限を桜が散るまでと切った。出来ねば、すべての資産は没収され戦地に送ると脅した。テサンはスタッフ全員に明子の手掛かりを捜すように指示する。石川の子を身籠っていた明子は病院の地下に拘束されていた。明子の近くにいた女性は気味の悪い微生物入り食べ物を与えられ、化物に変身した。テサンはトドゥクン(失踪者探索専門家)に交換条件付きで明子探しを依頼する。チュオクは10年前に失踪した母を捜し、母の居場所を知っているかもしれない幸本という日本人の画家を探していた。テサンは幸本とチェオクの母を探すことを約束し、ジュンウォンとチェオクは明子を探す約束をした。幸本は京城甕城病院に行われた人体実験の様子を描いた。チェオクは明子を怨みに抱く石川の妻前田由紀子が明子を病院に連行した事実を突き止めた。テサンは親友ジュンテクに身分証を借り、所長、ジュンウォン、チェオクの4人で病院に向かった。化物は炭素菌をばら撒き、多くの人々が次々に死んでいった。一度は病院から帰ったテサンだったが “明子を見つけた”とのメモを受け取り、再び病院に戻った。テサンは命がけで病院に潜入したが、明子ではなく子供達を助けて事務所に舞い戻ると、再度病院に戻って明子を探した。チェオクと共に病院内で化物を目にしたテサンは日本軍に捕まってしまう。ジュンテクも捕まり、解剖されたくなければ一緒に侵入した者達の名前と目的を1時間以内に白状せよと脅される。チェオクから捜索中の母の名がソンシムだと聞いた加藤中佐は、化物の娘だと知り、チェオクにナジン入りの水を飲ませようとした。チェオクは拘束された部屋の中で「チェオク 会いたい 私の娘」と書かれた血文字を見つけた。母がいたことを知り号泣。テサンはチュオクと一緒に病院から逃げようと説得するが、チュオクは母探しを優先し、二人は別れ別れに。化物はチェオクが拘束されている所に窒素ガスで誘導され、チェオクは襲われる直前に母さんと叫ぶ。化物の首にはチェオクがかつて母にプレゼントした木彫りのネックレスが掛かっていた。化物は幼いチェオクとの記憶が蘇る。加藤中佐は捕獲の号令を発するが、化物は銃撃からチェオクを守り安全な場所に移動させた。化物は再び檻の中に閉じ込められ、加藤中佐はチェオクを殺せと命じた。ジュンテクは仲間を売って開放され、チュオクとテサンのいる所に明子も合流し許された10分で逃走を開始した。テサンは自分を犠牲にして明子を始めチュオクを含め皆を逃がした。前田由紀子は院長から資料を見せられて化物の正体がソンシムと知る。チュオクに飲ませようとしたナジン入りの水を飲んだは明子だった。テサンは前田により救出され3日間眠り続けた。その間、脳を奪う異常な連続殺人事件が起きていた。元気になったテサンは石川と取引して逮捕された者全員を釈放させた。明子は人間の姿を維持したまま驚異の身体能力を獲得し、テサンとチュオクは明子による殺害現場を目撃した。加藤中佐は前田にナジンは攻撃性を高め、炭疽菌入りの血清を注入することで姿を化物に変えると教え、とある生体実験の最中に偶然ナジンを発見したと説明。明子は日本軍に取り囲まれるが、石川を襲い銃撃される。チェオクの父ジュンウォンは病院を訪れ、化物となった妻の姿を見て怒りに震え、化物は興奮して檻に体当たりしていた。明子に深く傷つけられた石川は一路院長が止めを刺した。チェオクは石川の葬儀に訪れ一路院長を銃殺。チェオクはその場で取り抑えられ、再び病院に拘束された。化物は檻を壊して逃走する。テサンはジュンテクと愛国団の協力を得てダイナマイトを病院に至る所に仕掛け爆破計画を立てる。行方不明になった化物をおびき寄せるために加藤中佐は牢屋に閉じ込めたジュンウォンを餌にしようとし、前田は拘束したチュオクを病院に運び込んだ。チェオクの行方が杳として知れなかったが、テサンの前に現れた前田の話から、全ての黒幕は前田由紀子だと判断し、これまで良好だった前田との関係は壊れた。化物をおびき寄せる餌としてチェオクも利用された。化物が制御不能となり、加藤中佐はチェオクを人質に病院から逃げようとし、逃亡前に大切なナジンと血清を取りに戻るが、途中で牢屋にいる明子が産気づいたのを発見。ジュンウォンは自分が残るので、テサンはチェオクと一緒に船で逃げるよう言い、テサンからダイナマイトを預かる。ジュンウォンは思い出の歌で化物を呼び寄せ、“妻よ、私と一緒に逝こう”と言ってダイナマイトが爆発する炎の中に消えた。化物も病院から逃走した。院長殺害の指名手配犯となったチェオクがテサンを巻き込むまいとするが、テサンはチュオクと一緒に逃げようとした。が2人は前田とその部下に取り囲まれる。そこに化物が現れ、前田の部下達を全て片付けた後、敵とみなされたテサンが襲われるが、チュオクが身代わりになって化物の触手で刺され血を吐く。テサンの叫びも空しくチェオクは死ぬ。加藤中佐は病院の地下で生き残り、明子の産んだ赤ちゃんを抱いている。赤ちゃんの脳にナジンが入っていく。石川の葬儀にダイナマイトが仕掛けられ前田もろとも炎に巻き込まれる。テサンは質屋の社長に戻り、奪われたものを取り戻した。第二次世界大戦終了後、大韓民国は独立。車いす姿で顔の右半分に火傷の跡を残す前田に加藤中佐は甕城病院の閉鎖を報告する。水中にいるチュオクは、近くで化物に抱きかかられ、化物の体から出てきたナジンが口の中に入ると、怪物は水の底へと沈む一方で、チュオクの目が開く。時は現代に移り、テサンそっくりのホジュが現れる。ホジュの後頭部には手術痕がある(了)。