宇宙を織りなすもの(上) 時間と空間の正体 ブライアン・グリーン 青木薫訳

 相対性理論量子力学はとても相性が悪く、それを統合する統一理論の筆頭株として超ひも理論を展開する著者が、物理学や数学音痴の読者にも分かりやすく現代物理学や宇宙論を教えてくれる、本年一番面白かった本です。
 空間とは何か、時間とは何かを問い、時空をキーワードに特殊相対性理論が説明される。そしてそこに重力の問題を持ち込んで一般相対性理論が説明される(第1部)。
 さらに光子は粒子であり波であり位置と場所を同時に測定することはできないとする量子力学を説明し、時間はエントロピーが低いところから高いところへと流れていく、その逆はないと説く(第2部)。
 まだ上巻を読み終えた段階ですが、本年で私にとってはダンドツに面白い1冊でした。