科学のこれまで、科学のこれから 岩波ブックレットNo.902 池内了

はじめに

第Ⅰ部 科学のこれまで

 1 要素還元主義の科学

   学問の細分化 複雑系の科学 要素還元主義の限界 

 2 「新発見」の過大な評価

   ビッグサイエンスの「新発見」 スモールサイエンスの「新発見」

   「新発見」ではない重要な分野

 3 「役に立つ」科学への傾斜

   「役に立つ」科学の典型例 科学者・技術者の習性 

 4 科学の国家への隷属じょn

   科学の軍事利用 産官学融合という名の科学の取り込み 国立大学の変貌

   科学者個々人の状態 ビックサイエンスを通じての国家への隷属 

 5 最近の科学の不正・疑惑事件

   いくつかの事例 STAP細胞に関わる事件 原発安全神話という不正の作為

 6 科学の不正・疑惑事件の直接的な背景

   経済論理 競争原理 忙しい教授 科学倫理教育を

 7 科学の終焉(ジョン・ホーガン)

 

第Ⅱ部 科学のこれから

 1 要素還元主義からの脱却

 2 トランスサイエンス問題

 3 科学者の評価の視点を変える

 4 オープンサイエンス

 

おわりに

   

科学に限界があることを知り、科学が今や産の下の官の元にあるという怖さを知り、そしてその上でこれからの科学の進む道を模索している71頁の短いブックレットです。

さっと読めるので特に前半はお勧めです。