最後のひと葉 オー・ヘンリー作 金原瑞人訳

2001年6月18日第1刷発行

 

よみがえった良心

 凄腕の金庫破りだった主人公が足を洗い、田舎暮らしを始め、幸せな結婚式を間もなく行おうとしていた矢先、主人公を田舎まで追っかけてきた刑事の目の前で、子どもが大きな金庫に間違って閉じ込められてしまう。主人公は凄腕を発揮して無事子どもを救い出し、お縄頂戴かと思いきや、この刑事さんは粋な計らいをしてくれます。ほっこりするお話でした。

 

警官と讃美歌

 立ち直ろうと決意した瞬間に、それまで何をやっても捕まえてくれなかったのに、浮浪罪で禁錮3か月。ハッピーエンドばかりではない、ちょっと残念なお話。

 

株式仲買人のロマンス

 忙しくて職場の美女と結婚したのに、そのことを忘れてプロポーーズする主人公。こんなに忙しい仕事って何?って感じですね。クスっと笑える小話のようなお話。

 

犠牲打

 ボタンの掛け違いで、結婚までしてしまった小説家の話。結婚した後、主人公はどんな風に変化するのか、それを考えるのが楽しい、というお話のような気がします。

 

20年後

 若い時の約束を果たそうと、お店の前に待っていた旧友。そこにパトロール中の警官が怪しんで声をかける。警官に約束のことを告げ、警官は立ち去る。そして時刻を僅かばかりに過ぎたころ、友人が現れたと思いきや、旧友は逮捕される。実はパトロールの刑事こそが昔の友人だったのだ。旧友が指名手配されている顔だとわかり、パトロール中の警官は別の刑事に逮捕をゆだねる。そして手紙を託す。俺がお前を逮捕できるわけないと。なかなか、いい話ですね。こんな話を思いつくなんて、素敵な感性ですね。本当に。

 

ジェフ・ピーターズの話、千ドル、都会の敗北、金の神と恋の死者、緑のドア、回転木馬のような人生

 

賢者の贈り物

 ストーリー自体は知っていたが、改めて読んでみると、相手を思いやる心の大切さを教えてくれる、ほんわかとするお話です。

 

最後のひと葉

 有名ですよね。でも、最後の結末を読むまで、思い出せませんでした。名作を読んでもやはり忘れるものですね。やっぱりいい話です。