仕事に効く 教養としての「世界史」 出口治明

平成26年2月25日 初版第1刷発行 平成26年3月25日第4刷発行

 

言われてみれば、そういう見方もできるけれど、言われないとなかなか気づけない視点というものがあります。この本を読んで改めて、①カトリックが、イギリスやドイツやオランダでプロテスタントが広がっていったために、新しい新天地をもとめてアメリカに布教活動を広げていったという流れで、コロンブスの新大陸発見につながるという指摘、②第二次世界大戦後にアメリカが日本を同盟国とした(それにより日本が高度経済成長を実現できた)のは、毛沢東のおかげである、裏を返すと、アメリカは本当は蒋介石率いる国民党が引っ張る中国とよい関係を築くつもりだったのに毛沢東共産党政権になってしまったので、やむなく当初は見向きもしていなかった日本を最重要したというような指摘です。いずれも、そういわれればその通りだなと妙に納得してしまう視点を提示されているのがこの本の面白いところです。出口さんの本はこれまでも読んできましたが、出口さんはこの本を書くために何か改めて勉強したわけではないと断っておられましたので、知識の正確性はともかくとして、本当に歴史というものがストーリーとして頭に入っているんだな、と感心させられました。