素数ゼミの謎 吉村仁

2005年7月15日第1刷発行

 

アメリカには13年あるいは17年に一度だけ何億匹も大量発生して数週間すると死んでしまうヘンテコなセミがいる。どうしてそんなに長い時間地中にいて、13年と17年なのはなぜ?その謎を日本人の科学者が初めて解いたと表紙裏で説明。これは面白そう。しかも、今年はアメリカでこのセミが大量発生すると予想されているらしく、この本がちょっとしたブームになるかも・・・。

 

素数ゼミの英語の名前は「Magicicada」(マジシカダ)。マジックは魔法、シカダはセミシンシナティに50億匹のセミが現れて大騒ぎになった2004年の夏。10平方メートルに400匹のセミが鳴いている。さぞうるさいことでしょう。

 

この謎を解くカギは、氷河期と避難所のような「レフュージア」。そして最大公倍数だった!地中に19年だと長すぎて死んでしまう幼虫が多過ぎる中、18年が限度だったようで、その中で最大公倍数が大きいのが13と17.これにより交雑の回数が少なくなり、絶滅の危険が少なくなり、現在まで生き残った。それでもまだ謎は残っているらしい。

 

こんなことを研究していること自体、凄い!不思議な現象の原因を調べ、考え抜いて、すっきりした解答を与えてくれて、とても興味深かったです。