15歳の寺子屋 境界をこえる 安藤忠雄

2012年4月10日第1刷発行

 

22歳で国内旅行に出掛け、白川郷に感動。24歳で海外旅行に出掛け、パルテノン神殿ロンシャン礼拝堂ル・コルビュジェ)、サグラダ・ファミリアアントニオ・ガウディ)に更に感動。吉田松陰緒方洪庵に学び、幸田露伴五重塔』では成し遂げた後の責任の重さ、責任を引き受ける覚悟を学ぶ。審美眼を養うには本物を見ることが大事、インターネットやテレビでは感性を磨くことができない。

安藤さん自身の作品「住吉の長屋」「光の教会」誕生の経緯についても触れられている。中之島公会堂の建築費は岩本栄之助が全額負担したが、寄付後に莫大な損失を出すものの、寄付したものを返せと言うのは大阪商人の恥と言ってピストル自殺したとか。幅44メートル長さ4キロの御堂筋を作るためには大阪のために大勢の人がセットバックに協力して敷地を提供。大阪も捨てたもんじゃない。

「構想力」「実行力」に「公的精神」が備われば、日本の未来には希望が持てると。

二畳の待庵と大仏殿を最後に取り上げ、待庵は秀吉の支援を得て利休が設計。大仏殿は重源和尚がお金を集めて陳和卿らの力を借りて再建。人間が人間のために人間の助けを借りてつくっていくのが建築であると締めくくっている。

 

分野は違えと、大変勉強になる一冊です。