高梨沙羅 さらなる飛躍 師岡亮子

2018年8月 初版第1刷発行

 

女子ジャンプがオリンピック種目に加わったのは2014年のソチオリンピックから。それ以前は男子ジャンプのみだったというのは知りませんでした。確かに記憶に鮮明に残っている長野オリンピックでは女子ジャンプは競技種目になかったように思います。ソチオリンピックの金メダル大本命だった高梨選手は向かうところ敵なしの状態だったのに本番では実力を出しきれず4位で終わります。その後も高梨選手は2015〜2016年にかけて圧倒的な強さを見せて総合優勝します。高梨選手を育てたお父さんは中1のころに、なぜそんなに飛べるのか尋ねられた際、「別に特別なところはないと思います。基本に忠実に、基本を大事に練習してきただけです」と答えたそうです。やはり基本はどの世界でも大事だということを痛感させられます。

平昌オリンピックでは高梨選手は遂に銅メダルに輝きます。スタートゲートの位置が下がり、アプローチスピードが遅くなる中で、従来のスタイルの変更を迫られ、現在、高梨選手は北京オリンピックに向けて新時代の基本を新たに作り出そうとチャレンジをしているそうです。女子ジャンプはノーマルヒルだけでラージヒルは現在はまだ認められていないそうです。それでも近い将来ラージヒルも女子選手が飛べる時代がきっとくるでしょう。真面目にコツコツとイメージトレーニングと練習を続け、派手さはないけれど、世界の高梨沙羅選手、これからも応援していきたいですね。