2014年4月24日初版発行
表紙「春画はポルノグラフィティと同じなのか?江戸時代人は春画を何に使ったのか?貸本屋の『目玉商品』だった春画本 出合茶屋・遊郭・湯治場に必ずあった春画」
表紙裏「誰も答えてくれなかった『春画の利用法』を遂に解明した画期的成果! 解明のきっかけは、『春画のなかに描かれた春画』の発見だった。本書所収の『春画のなかに描かれた春画』全97点の図版中、『男・女』二人の人物構成を描いたものが57点もあった。描かれた春画の活用法は、まず『誘惑の手段』として女に見せる。2人で仲良く見て気分を盛り上げるのだ。なかには、交合中にも眺めて、より感興を高める手段に使う。春画は『二人で観て愉しむ本』だった。一人で観て、自慰にふけるより、こちらのほうがよっぽど愉しい。本書を通読すれあb、江戸人に性のタブー意識が少なかったことが理解できる。」
時代の動向 日常生活に顔を見せはじめる春画(1672~1764)
老人の楽しみ? 鳥居清信・吉田半兵衛
他人の妻を誘惑する小間物屋? 西川祐信
後家さんをその気にさせる春画 西川祐代・竹原春朝斎・奥村政信
若妻を「姫始め」に誘い込む亭主 石川豊信
春画本を手本にして 竹原春朝斎
御後室様の愛玩物 宮本春水・寺沢昌次
第2部 江戸中期・江戸人の生活に溶け込む春画
時代の動向 錦絵の登場と貸本屋の活躍(1764~1800)
夢うつつにて 鈴木春信・菊川秀信・鈴木泰信・司馬江漢
春画は色恋の仲介者 磯田湖龍斉
急ぐばかりが能じゃない 北尾重政・北尾政美
夫婦のいちゃつきに妹を巻き込む? 勝川春章
貸本屋は油断のならぬ者 勝川春潮
春画は交合への合図のサイン 鳥高斎栄昌・春川五七・喜多川月麿
殿様と小生との男色痴話話 速水春暁斎
時代の動向 時代の流行に敏感に反応する春画(1800~1868)
御後室は派手好み 葛飾北嵩
女の気を魅く手軽な手段 菊川英山・渓斎英泉
屋敷内の女たちの慰みもの 渓斎英泉・柳川重信
恐ろしや、男に貪欲な後家さん 歌川豊国
夫婦の馴れ初めは春画 歌川豊国・歌川国虎
春画を品定めする奥女中 歌川国虎
春画は、女の局部を直接見て描いたのか? 歌川国虎
性悪な貸本屋と未通女 十字亭三九
温泉宿に備え付けの「三冊本」 歌川国貞
春画のごとくに交合する 歌川国貞
出合茶屋の「AV視聴装置」=春画 歌川国貞
亭主の留守中に家に入り込む男 歌川芳虎
毎日毎晩、奉仕に精励する男妾 歌川国麿・歌川国貞
亭主なんぞ取り替えればいい! 歌川芳信
昼日中に娘に言い寄る男 恋川笑山
あとがき-先祖たちが愛した春画の秘密
こういう本が一般の目に普通に触れることができる環境にある、ということは自由を謳歌しているということなのだろうか?ともあれ江戸の昔から日本人はこの類の本が大好きなんだなということがよくわかるし一つの文化でもあったというわけなのだが、こういう文化は現代では誰か引き継いでいるのだろうか?もはや現代ではAV等の動画が出回ったために完全に春画は廃れてしまったのだろうか?