2019年4月1日第1刷発行
表紙「地球、自然、気象、地層など身近な疑問がまるわかり! 地球の自転や傾きは生活にどう影響する? 天気図の意味や読み方がわかる! 地震や噴火のメカニズムは?」「日本列島はいつどのように誕生した? 北極と南極はどちらが寒い? フェーン現象やエルニーニョ現象って?」
表紙裏「『地震や異常気象はナゼ起こるのか?』『地球はどのように誕生し、この先どうなるのか?』宇宙と地球、火山や地震、気象、地質―身の回りのテーマを地球科学で読み解く!」
はじめに
本州の長さは約1300kmほどなのでその5倍6400kmが地球の半径の長さ。地球は意外と小さい惑星。大気圏のうち気象現象が起きる対流圏と呼ばれる大気の濃い場所の厚さはわずか10kmほど。半径と比べても薄い皮のようなもの。私たちはこの固体地球の表面と大気圏に挟まれた僅かな空間で生きている。多岐にわたる地学の中から49の面白そうなトピックを選び物語風に語る。
地球物理学
01多様な隕石の2段階による合体でできた地球 02惑星の楕円軌道の発見は科学革命となった 03自転軸が傾いたために季節が生まれた 04地場は移動し北極と南極が逆転する地球 05地球の自転速度は遅くなり月はだんだん遠くなる 06太陽は中規模サイズの星、大質量の星ほど短命だ 07マントルは熱膨張で上昇し熱放射で沈降する 08原子惑星テイアが地球に衝突し月が生まれた(ジャイアント・インパクト説) 09表側と裏側では別の表層をみせる月の不思議 10ゴマすり運動で地球の自転軸が動くと北極星もまわる 11深海900mの深さに匹敵する金星地表の気圧 12地球の自転軸が傾いているために南中高度が変化 13地震はプレート境界、月震は800m深部で起きる 14地震は一度起きれば終りではなく何度も繰り返す
火山学
01ケイ酸成分で4部類されるマグマ 02噴火は優勝祝勝会のビール掛けと同じ発泡03マグマはプレートの沈み込みによってつくられる 043つのプレートがせめぎ合うところに立つ富士山 05宝永噴火に匹敵する噴火があれば首都圏は大災害 06大きな鍋になぞらえた巨大な陥没口がカルデラだ 07日本に襲い来る破局噴火はカウントダウンに入った 08平均気温が10℃下がるそのとき人類は生き残れるか 09プレートは地球の内部を冷やすラジエター 10ハワイとイエローストーンは地球の壮大な営み 11中央海嶺とホットスポットの密接な関係
気象学
01自然のバランスを人為的に壊す急激な温室効果 02温暖化熱を海水が吸収して膨張し海面が上昇 03陸地か否か二つの極圏で異なる条件 04南米とインドネシアで気圧がシーソーパターン 05北半球では風は低気圧で反時計回り、高気圧で時計回りに吹く 06北半球の亜熱帯上空は南西風、地上で北東風が吹く理由とは 07山を越える空気の乾燥断熱率と湿潤断熱率で実態解明(フェーン現象はなぜ起きるのか?) 08夏場の北太平洋高気圧と偏西風が密接関係(台風はなぜ日本を直撃するのか?) 09豪雨が増大しながら降水日水現象の不思議 10熱エネルギーを失った空気は温度が下がる 11空を浮遊する雲は放火した空気中の水蒸気だ 12竜巻にはスーパーセルと非スーパーセルがある
地質学
01日本列島は2000万年前に誕生し2億5000万年後に消滅 02マグマから宝石はできにくいが例外はダイヤモンド 03地層で初期地球からの表層環境の変遷が解読可能 04地震記録は地球史の最良の記憶媒体だ 05鉱石1tに1g含まれていれば採算が合う金 06自然の風化作用による岩石を材料とした芸術 07大陸誕生と分離はプレートテクトニクスの力 08全地球凍結をスノーボール・アースと名付けた 09生物の大量絶滅のあとに哺乳類が誕生した 10隕石衝突より暗黒星雲との遭遇が恐竜絶滅の最大の原因かも 11大気酸素濃度が急増し地球独特な大気組成ができる 12地球は各種の岩石をつくる操業中の生成工場だ
目次のQ&Aを適宜分かり易くアレンジ。これを見ながら興味ある本文をちらちら読む。
イラストがフンダンに掲載されているので、この分野に興味がある人にとっては面白いんだろうなあ。興味がないと面白さが分からないのは残念ながら仕方ないことだとは思う。