シュリ 1999年 監督カン・ジェギュ

ジュンウォン(ハン・ソッキュ)は北朝鮮女工作員イ・バンヒに撃たれる夢を見た。

ある日、同僚のジャンギル(ソン・ガンホ)がショッピングモールである男と接触する予定だったが、接触がバレて逃げ出した男は「あいつに見られた」と言い残して射殺された。殺された男は武器密売組織のイム・ボンジュ。解剖医はボンジュの心臓の撃ち抜き方から凄腕のスパイナーだと分析する。女工作員バンヒが犯人なのか。殺された男が接触を図ろうとしたのは何故だったのか。ジュンウォンとジャンギルは韓国秘密情報部員だった。ジュンウォンはミョンヒョン(キム・ユンジン)と交際中だった。結婚を間近に控えた二人だったが、彼女は彼の正体を知らない。シュリ作戦開始の指示がメールで届く。ジャンギルはボンジュから国防科学研究所の主任研究員キム・ドンソクに多額の送金がなされた事実を掴んだ。研究所に出向くが、ドンソクは何者かに殺されていた。この研究所は新兵器の液体爆弾CTXを完成させていた。ドンソク殺害当日、CTXは軍司令部の要請で秘密裏に運ばれている最中だった。強奪を予感したジュンウォンとジャンギルは阻止するためにヘリで移送車を追ったが、北朝鮮第8特殊部隊長ムヨン(チェ・ミンシク)らは移送車を襲撃しCTXを強奪する。次々と先を越される相手の手口からジャンギルは内通に情報を流す者がいることを疑う。ジュンウォンはそれだと自分と局長とジャンギルの誰かが犯人だと言って受け流す。

コードネーム“シュリ1”ムヨンと “シュリ0”バンヒは次なるターゲットを“キッシンググラミー”とするやり取りを漫画喫茶のPCでやり取りする。ジュンウォンがCTX強奪犯の映像を見ると、北朝鮮第8特殊部隊ムヨンの顔が映っていた。北の戦闘員はCTXをあちこちに設置。ジュンウォンが友人に会うと、ジュンウォンに狙いを定めていたバンヒのライフルの火が吹く。が友人が動いたために友人が身代わりになってしまう。ムヨンは運がよかったなとせせら笑う電話を入れ、CTXを市内10か所に設置したことを告げ、爆破30分前に連絡するという。初回はゴールデンタワーだと言い、CTXの緊急捜索が始まるが、間に合わなかった。ジュンウォンはミョンヒョンを連れ出してホテルの一室で外出するなというが彼女は禁酒を破って飲酒を始めていた。何が彼女を苦しめているのかジュンウォンは分からなかった。ジュンウォンがジャンギルに電話をかけてCTXに関わる工作員が情報をくれると言い、ジャンギルを呼び出した。バンヒを呼び寄せるためだった。だが、ジャンギルはバンヒがこれまでジュンウォンを狙える位置にいて、しかも弾丸を残しながら未射撃だったことに疑念を抱いていた。指定場所にムヨンらが現れて激しい銃撃戦となり、バンヒも現れてムヨンを救出した。ジュンウォンはバンヒを尾行すると、恋人ミョンヒョンの熱帯魚店に入っていった。負傷していたミョンヒョンの後ろ姿を見てしまった。ムヨンはミョンヒョンに自殺を許さず、任務続行を命じる。バンヒは済州島のミョンヒョンに成りすまし、2人は2年前まで姉妹のように過ごした過去を打ち明けた。ミョンヒョンはジュンウォンに姉からの連絡が途絶えたことを教えた。韓国秘密情報部に爆破予告の電話が入る。ジャンギルがジュンウォンの金魚だけが死んでいる事にハタと気づき、金魚の中に最新式盗聴器が埋め込まれていた事実を突き止めた。ジャンギルはミョンヒョンに、ジュンウォンが彼女を心から愛していた、君は?と尋ねると、ムヨンが現れてジャンギルは銃弾に倒れた。ジュンウォンは南北の首脳が揃って観戦するサッカー交流試合でCTXを爆発させると踏む。昼間の試合なのに貴賓席の上の照明だけがついているのに気づいたジュンウォンはCTXが光と熱で爆発される性質を持つことを想い出し、照明調節室に乗り込むと、ムヨンらに取り囲まれる。ムヨンは、サッカーで南北統一などふざけるな、朝鮮の新しい歴史は我々の手で開くと言う。そこに異常に気付いたジュンウォンの後輩が駆けつけ、激しい銃撃戦の後、照明を消すことに成功した。観戦席にいたバンヒは一人で大統領暗殺に向かうが、護衛に阻まれ、ジュンウォンと対峙して彼に射殺される。後日、ミョンヒョンが妊娠していたことを知らされたジュンウォンは取調べの中で、彼女はこの時代のヒドラだ、自分の知っているのはバンヒでなく、ミョンヒョンだと説明した。彼女は事件の直前に留守電に犯行を明かすメッセージを残していた。ジュンウォンは済州島のミョンヒョンを訪ね、キッシンググラミーを贈る。