文藝春秋2018年12月 小堀邦夫前宮司 独占手記「靖国神社は危機にある」「今上陛下は靖国を潰そうとしている」発言の真意

今年三月、伊勢神宮から靖国のトップに就任した小堀氏は、内情を知って愕然とする。神社内部の研究会で職員を叱責する音声がなぜメディアに流出したかー

(印象的な記載は次のような箇所だった)

(昭和50年?)内閣法制局長官の見解は、ご親拝は「私人としての行為」であり、公式参拝となると「憲法20条第3項(政教分離原告)の重大な問題になる」というもの。
昭和天皇の最後のご親拝はこの法制局長官の見解が出た翌日。紛糾した事態以降、やむなくご親拝を控えられるようになったと拝察している。A級戦犯の合祀はそれから3年後の昭和53年。
今は世界中から厳しい目で見られる。そこで考え抜いて出された答えが「慰霊の旅」と「全国戦没者追悼式へのご臨席」だったと思う。この方法がつづく限り、靖国神社の存在意義は希薄となる。これらの将来に対する危機感を職員に持って欲しいという思いから口にした言葉。
靖国神社は単立宗教法人として存続してきたことから神社本庁には人事権や指導権がなく、ガラパゴス化しているように思われる。

このような危機意識の下で発言した内容がどうやら流出してしまったらしい。
トップに立つ者の発言は、周囲を鼓舞する必要がある局面もあるだろうし、本当にどう発言するかは難しい問題だなあと思う。