権利のための闘争 イェーリング 訳:小林孝輔・広沢民生

法の目標は平和であり、それに達する手段は闘争である。

法はたんなる思想ではなくて、生きた力である。だから、正義の女神は、一方の手には権利をはかるはかりをもち、他方の手には権利を主張するための剣を握っているのである。はかりのない剣は裸の暴力であり、剣のないはかりは法の無力を意味する。はかりと剣は相互依存し、正義の女神の剣をふるう力と、そのはかりをあつかう技術が均衡するところにのみ、完全な法律状態が存在する。
法とは不断の努力である(第1章 法の起源)