世界2019年4月 ローマ法王の外交戦略ー多様性重視で教会改革 植田粧子

フランシスコ法王は2013年の就任以降、これまでに約40か国・地域を歴訪し、布教活動や信者らとの交流を推進。

2013年12月、米誌タイムの「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に選ばれた。

米国とキューバは2014年12月17日、国交正常化交渉開始を電撃発表した。同時にローマ法王庁も、法王が当時のオバマ米大統領キューバラウル・カストロ国家評議会儀表に両国関係を改善するように促す書簡を送り、数か月にわたって関係改善の「橋渡し」をしていたことを明らかにした。

2016年2月12日には、法王は東方正教会の最大勢力、ロシア正教会の最高位キリル総主教とキューバの首都ハバナの国際空港で初めて戒壇し、千年近くに及ぶ基督教会の東西分裂克服に道を開いた。

バチカンと中国は2018年9月22日、長年の懸案だった中国国内の司教任命権をめぐって暫定合意に達し、関係改善に向けた歴史的一歩を踏み出した。

法王は、今年11月に日本を訪問することを明らかにしている。