坂本龍馬 横山充男

2009年11月第1刷 2011年2月 第6刷

 

小さい頃、泣き虫だったとは知りませんでした。

その後、剣術の腕を磨き、28歳で脱藩して勝海舟の下で航海術を学び、初めての会社、亀山社中を作り(後の海援隊)、更に薩長同盟の立役者、大政奉還のために力を尽くすも、33歳で京都近江屋で暗殺されて命を落とす(中岡慎太郎とともに)。

有名な「船中八策」(①幕府が朝廷に政権を戻す②新政府に二つの議会を作る③優れた人は身分に関係なく政府の仕事についてもらう④外国との交際は全て議会で決める⑤憲法を作る⑥海軍を充実させる⑦首都を守る軍隊を作る⑧国内の物価を安定させ、外国と平等な条約を結ぶ。百年先を見通した)は、夕顔丸の中で竜馬が後藤象二郎に話をした内容。

竜馬の目を大きく見開かせた勝海舟の存在も大きい。

西郷隆盛桂小五郎木戸孝允)との話がスムーズにいかないため、竜馬が西郷隆盛と対談した際に、西郷隆盛をどやしつけた言葉が印象的。「おんしゃあ、なにしゆうがぞ!天下万民のための同盟じゃろが。薩摩藩のめんつなんぞ、くそくらえじゃあ!」これに対して西郷隆盛が「おいどんのまちがいでごわした。すぐに桂さんと話しもそ」と応じて薩長同盟が成ったのも見事。

 

間違いなく、偉人の1人。人から好かれるというのが竜馬の最も大きな魅力の一つだったんだろうと思うが、発想力の豊かさ、実行力も並外れている。誰に殺されたのか未だに謎というのも不思議な気がする。