2022年1月30日初版第1刷発行
「『現実とは少し異なる理で作られ、自分にとって都合がいい快適な世界』
―本書ではこれをメタバースと呼ぶ。だから、ゲームやSNS、VRと親和性が高く、これらの延長線上にメタバースを構築しようとしている企業世界が多いが、メタバースにゲーム性が必須というわけではない。(本文より)
世界に冠たるテックジャイアントの一角、フェイスブックがその社名を「メタ(Meta)」(正式にはメタ・プラットフォームズ)に変更したことで、一般にも広く知られるようになったメタバース。それはいったい何か? 我々の生活をどう変えるのか? そこにあるビジネスチャンスとは? フェイスブックを含むGAFAM各社の動向、日本企業の取り組みなどを紹介しながら、その可能性を探る。」
はじめに
プロローグ メタバースとは何か?
仮想現実と疑似現実/アイドルはなぜグループ化したか?/コト消費はコピーされにくい/コト消費を脅かすVR/VRからARへ/疑似現実ではなく別の世界へ/現実とは違う「もう一つの世界」=メタバース/「大きな物語」と「ポストモダン」/SNSの本質/SNSからメタバースへ
第1章 フォートナイトの衝撃
第2章 仮想現実の歴史
第3章 なぜ今メタバースなのか?
なぜ今メタバースなのか?① 技術的背景
なぜ今メタバースなのか?② 人間の変化
高齢者とメタバース
メタバースはそもそも必要なのか?
第4章 GAFAMのメタバースへの取り組み
2 グーグル―メタバースを目指さない
3 アップル―GAFAMの中で最もメタバースから遠い企業
4 マイクロソフト―仮想世界への取り組みはミラーワールド路線か?
5 アマゾン―メタバースでもその手のひらの上に
日本企業はメタバースで生き残れるか?
エピローグ
「リアル」と「サイバー空間」/リアルに寄せると、デジタルツイン、ミラーワールド/サイバー空間に重きをおくメタバース/メタバースとVR技術/メタバースは生活全般の包摂を目指す/本当は不平等なのに、平等に見えるしくみ/人間がメタバースで死ぬ日/フィルターバブルに残るのは自分一人/安っぽくなった正義/究極のフィルターバブル≒メタバース/メタバースでのアイデンティティ/メタバースでの恋愛、デジタル遺産
サイバー空間の中に、疑似現実でもなく、全く現実(リアル)とかけ離れた仮想現実を作り出し、そこで物理法則も何も全く関係がなくなるような異次元の世界の中で生きていく人がこれから先、増えていくのだろうか? そこに商機を見出し、その世界を牛耳ることを目標に掲げて社名まで変更して挑み始めたフェイスブックの存在を通して、全く知らない世界のことを比較的わかりやすく説明してくれている、メタバースの入門書のような一冊でした。