世界の未来は日本にかかっている 中国の侵略を阻止せよ! 元オーストラリア連邦議会議員・国会条約審査委員長 スポーツ観光省(シドニー・オリンピック担当)大臣 アンドリュー・トムソン 翻訳・監修 山岡鉄秀

2021 年 4 月 1 日初版第 1 刷発行    2021 年 5 月 20 日第 2 刷発行
(著者略歴)
1961 年、オーストラリア生まれ。メルボルン大学法学部、文学部(日本語・中国語)卒城、ジョージタウン大学法学修士号取得。1983 年、慶應義塾大学に留学。1986 年、北海道大学法学部助手。その後、東京の外資系金融機関で法務に従事。国際弁護士として豪州、米国、アラブ首長国連邦サウジアラビア、中国北京などで活動。通商関連の法務に携わる。1995〜2001 年、豪州連邦議会議員。外務副大臣、スポーツ観光省(シドニー・オリンピック担当)大臣、国会条約審査委員長、豪日国会友好議員連盟会長等を歴任。全英オープンゴルフ5回優勝のピーター・トムソンの長男でゴルフ解説も行う。日本ゴルフ協会外交委員会会員。現在、福岡に在住。妻は日本人。

 

第5章でブータン憲法第2条第1節を紹介している。
ブータン国王陛下は国家元首であり、王国とブータンの人々の統一の象徴です」
日本の憲法にも同じ文章を採用してはいかがでしょうか?という。また憲法9条について「このような制約が2021年に必要なのでしょうか?」と疑問視し、フランス、スペイン、イラク、インド、韓国の憲法を例に出し、日本国憲法9条を改正せよと訴えている。

第6章で中国の「超限戦」に触れ、アメリカの下院諜報活動常任委員会の「中華人民共和国の諜報能力に関する報告書」と題する報告書が2020年9月に発行され、この報告書の内容を啓発的に取り上げていることは評価できる。またファイブ・アイズに日本が正式に参加すべきだと提案した元中豪大使の草賀純男氏の2020年10月のオーストラリア保守系新聞に書いたコラムを取り上げつつ、日本の法律が日本国民の私信を傍受することを認めていないことから疑問視する点も全うに評価できる。中国の軍事戦略は、第一列島線第二列島線という言葉を用いているとし、第一列島線を突破することに莫大なコストがかかるので突破を躊躇するだろうと見込んでいる。2020年9月の朝日新聞の報道によると、日本はまもなく沖縄に電磁兵器で武装した新部隊を配備するとのことで、第一列島線を守るために良く設計されていると評価する。

 

(目次)
まえがきー日本国民の皆さん、目を覚ましてください
◎オーストラリア人が愛する日本
◎日本に「普通の国」になってほしい
第1章 オーストラリア人からのメッセージ
◎他国への中国の脅威は日本に対する脅威
◎オーストラリアに対する中国のサイレント・インベージョン
◎豪中関係の経緯をたどる
◎オーストラリア初の在中国新聞社特派員の言葉
◎サイレント・インベージョンの始まり
◎私自身の中国共産党との闘いの歴史
コラム①:西洋の習慣「ゴルフ」と日本人
第2章 オーストラリアが反撃することを決めた理由
◎エネルギー政策が発端となった中国問題
◎ハッキング攻撃で目覚めたオーストラリア
◎オーストラリアを裏切った若き議員
◎「オーストラリアの人々は今日立ち上がった」
◎外国影響透明化法のいくつかの問題
◎日本が無駄にできる時間はない
コラム②:巡洋戦艦「伊吹」
第3章 日本史における重要点

◎日本の古代について
◎歴史に見る韓国との友好関係
元寇と日本
◎秀吉の朝鮮出兵
キリシタンの歴史
◎江戸時代の鎖国政策
◎急速に近代化した明治時代
第4章 安全保障の奴隷―普通の主権国家までの道
アメリカの奴隷?
核の傘に守られて
◎中国の中距離ミサイル
◎広大な地理
◎脆弱な中国経済
バチカン中国共産党の異様な関係
◎「小切手帳の同盟国」
◎日米豪印「四カ国戦略対話」ザ・クアッド
◎現代の戦争
第5章 日本人による新憲法
憲法制定会議の必要性
憲法の基本原則
天皇憲法上の立場
◎防衛の規定
◎司法と裁判官の状況
◎条約と国際公法
◎準政府のような国際システム
第6章 地域の安全保障―共産主義の中国、北朝鮮、台湾・インド太平洋
◎米国議会の報告書
◎中国の「超限戦」
◎超限戦における戦争計画
◎情報を共有する「ファイブ・アイズ」同盟
◎中国の軍事戦略「列島線」
◎台湾をめぐる問題
◎敵国の秘密の友達
◎言語道断のアメリカの腐敗
中国共産党とつながる GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)
コラム③:潜水艦の老人

第7章 西洋を毒殺している狂ったリベラリズム
◎ネオ・マルクス主義
◎左翼の知的リーダーたち
◎左翼の億万長者
中道左派の政党
◎経済的ポピュリズム
◎イギリスとヨーロッパのこれから
英語圏で最も左翼的なビクトリア州
◎ネオ・マルクス主義に染まる日本の大企業
第8章 世界を救い出せるのは日本の一般国民だけ
◎歴史の響き
◎平和安全法制について考える
◎米国内の政治
スコットランド啓蒙主義
孤立主義新保守主義
◎勃発するデータ戦争
◎私のメッセージに留意してください!
コラム④:私の家族と太平洋戦争
第9章 習近平の勝利のディストピアを幻視する
◎中国が世界を掌中に収めたら
◎中国の世界征服のシュミレーション
◎日本は中華人民共和国の「日本省」になる?
あとがき
翻訳・監修者あとがき 山岡鉄秀