地政学から見る日本の領土 沢辺有司

2022年9月20日第1刷

 

帯封「ロシア ・千島列島と北方四島が囲うオホーツク海はロシアの核ミサイル潜伏場所となる ・『四島一括返還』にこだわるべきか?

  中国 ・日本海から北極海航路をうかがう ・『尖閣グレーゾーン侵略』の計画

  韓国 ・竹島の次に狙うのは対馬の土地と不動産

  北方領土尖閣諸島竹島 日本はどう動くべきか?」

 「日本人が知っておくべき世界の読み方 ロシアによる北方四島の占拠、中国による尖閣諸島海域への侵入、韓国が長年続ける竹島実効支配。なぜ日本はこうした行動をとられるのか? 『地政学』の視点で『歴史』と『地図』を俯瞰的に見れば領土問題の本質が見えてくる!」

 

第2章 北方領土地政学

太平洋艦隊が太平洋から日本海に入るとき、冬のあいだに使えるのは、国後水道しかない(85p)ため、ロシアにとって安全保障上、絶対に死守すべきチョーク・ポイントとなっている(86p)。

歯舞・色丹の2島返還が現実的な解決策だが、ダレスの恫喝で2島返還案がつぶされた経緯もあり、アメリカが日ロ間の楔として北方領土問題を必要としている(87p)。

 

第3章 尖閣諸島地政学

アメリカは尖閣諸島についても日中のいずれの立場も支持しないと言明することで、日中間に領土問題を楔として打ち込んでいる(154p)

アメリカは台湾を国家と同様に扱い、台湾防衛のために武器などの援助ができるとして台湾が独立しようとすれば助けるという内容の台湾関係法を1979年に成立させ、2018年3月にはトランプ政権下で台湾旅行法も成立させている(165p)

そんな中でのバイデン大統領の台湾防衛のための軍事的関与を明確にした発言やペロシ下院議長の訪台の直後に、台湾を取り囲む海空域で軍事演習を実施する中国の存在(167~8p)

 

第4章 竹島地政学

大和堆佐渡島能登半島から約200キロの距離にある)は第二の尖閣諸島になる恐れがある(215p)

対馬についても、韓国の馬山市市議会は「対馬島の日」を制定し、韓国国会で対対馬返還要求決議案が発議されている(232~3p)。人口3万の対馬に2018年は韓国人の観光客は41万人訪れる。不動産の買い占めも進む。

 

大変、わかりやすく、北方領土尖閣諸島竹島について、地図入りで、フリガナも振って、しかも歴史的経緯もすっきりと説明されていて、それがなぜ問題になったのかということについても、それこそ痒い所に手が届く感じで説明してくれています。こういう本が読みたかった!