2022年8月30日初版第1刷発行
帯封「『国富論』だけじゃない! 『経済学の父』は喜びや怒り、そして憎しみをどう捉えたのか。」「経済社会を生きる知恵とは・・・ ・他人へ同情しない人は他人から同情されない ・自分自身について話すときは自制が必要である ・『競争心』は他人をすごいと思うことから始まる ・肉体的な痛みに比べ、言葉が引き起こす痛みはなかなか消えない ・『見えざる手』は傷つけ合うばかりの人々の間では機能しない 古典が発するメッセージ」
表紙裏「この一冊で『道徳情操論』がわかる! 『国富論』と並ぶアダム・スミスの主著『道徳情操論(道徳感情論)』は、人間関係についての鋭い洞察にあふれた人生哲学の名著であるが、他方で極めて難解な本でもある。本書はこの『道徳情操論』を原著の目次に沿って読み進めながら、スミスの主張を大胆に整理・要約。この本のエッセンスがすっきりと理解できる。悩み多き現代人へ『経済学の父』が贈る、楽しく生きるための処方箋!」
Ⅰ 同情は喜びを増大し、悲しみを減少する
Ⅱ 我々はお互いに助力を必要としている
Ⅲ 平静・享楽は幸福の源泉
Ⅳ 慎重の美徳は最も有用な美徳
Ⅴ 道徳情操は「慣習」と「流行」によって異なる
Ⅵ 悪徳は気まぐれであり、美徳は規律・秩序を維持している
道徳哲学者から経済学者へ進んだアダム・スミスは、経済学に出てくる「人間」がどうあらねばならないのかについて「道徳情操論」で明らかにした。が、本自体が難解なので、著者は分かりやすく示すよう工夫している。しかし、それでもなおまだ難しいように思う。結局、アダム・スミスは、人間をどのように捉えたのか、極めて多面的に捉えていることから、一言でいうのは到底困難だ。