超二流 天才に勝つ一芸の究め方 無謀な欲を捨て、得意なことに集中しろ! 才能を最大化する“凡人”の「洞察力」 野村克也

2019年8月7日第1刷発行 2019年8月29日第2刷

 

裏表紙「全ての人は何かしらの可能性を持っている。一流は無理でも『超二流』にはなれるー 人は誰しも『強み』や『一芸』を持っている。その“才能”を眠らせたままにすることなく解放させることができた『超二流』は、時に天才、一流にさえも勝つことができる。まだ見ぬ潜在能力を秘めた“凡人”だからこそ発揮できる最強の「洞察力」とは。ノムさんの原点、『選択と集中』の極意!」「長く“結果”を残せるのは、一流よりも『超二流』 自分をすごいと思い込んでいたら、必ずどこかで満足や妥協が生まれ、成長を止めることになる。でも、『超二流』の者はそうはならない。だからこそ、私は『超二流』を目指すことこそが『強さ』になると思っているのだ。」

「感じる力」があってこそ、「見つける」「育てる」「生かす」に繋がり選手を育成できる。

「人間、最大の悪は鈍感だ」とは至言。

「感謝の気持ち」はプロとして成功するかどうかの分水嶺になることが多い。

よく「長所を伸ばして欠点を補う」などと言うが、これは間違い。「欠点を直さないと往々にして長所を邪魔してしまう。だから、まずは欠点を直す。最低限、直す。それを第一に考えるべきだと私は思う」

中心になる存在をいかに見つけて育てるのか。それは、組織のリーダーにとって最も重要な仕事のひとつ。中心のしっかりしていない組織は機能しない。責任感の強い主力選手が鏡のような働きをすれば、それに引っ張られて他の選手もチームの勝利という同じ方向でまとまっていく。

正しいプロセスさえ見つかれば、それを徹底できる人こそが一番強い。結果も伴う。

リーダーの心の内は、言葉にしなくても伝わってしまう。リーダーたる者一時も気が抜けないし、抜いてはいけない。

できる人物は、口だけではない。むしろ何も言わずに背中で引っ張るものだ。

監督の仕事は、試合が始まるまでのプロセス管理。試合が始まったら、実際にプレーをするのは選手。

愛情を持って、正しく褒めて叱る。それができてこそ、選手や部下を「超二流」にも育てることができるし、良いリーダーになれる。

問題意識を持たせて、自ら考えるクセをつけさせる。

成長するためには適した環境を選び取ること、人を育てるためにはその人に適した環境を選び与えることが重要。

真鍋満監督の「できない理由を探すな」は座右の銘。「できない理由ではなく、できる理由を探せ」が野村の教え。受け継がれてきた哲学に個性は付け加えることを考えるべきだ。

親孝行の選手ほど良くなるという川上監督の言葉を、野村はなるほどと思ったという。ここにも深いものがある。

調子に乗らず、いい気にならず、どれだけ謙虚でいられるか。上に立っても、結果が出ても、成長するために意識すべきことは、謙虚たること(この言葉は心から噛みしめたいと思う)。