地球46億年 ニュートン式超図解 最強に面白い‼ 地球が凍る! 生物が大量絶滅する‼ 地球46億年が、1冊ですべてわかる‼ 監修:川上紳一

2020年7月15日発行

 

第1章 地球と生命の誕生 暗闇の中で、原始の太陽がつくられた

第2章 酸素の発生と地球大凍結 厚さ1キロメートルの氷におおわれた「全球凍結」

第3章 生命は陸上に進出し、恐竜の時代がやってきた 恐竜たちが、地上を支配した

第4章 そして現代へ 最初の人類「猿人」があらわれた

 

第1章

・暗闇の中で暗黒星雲(原始の太陽)がつくられ、そのまわりを巨大なガス円盤が取り囲み、100億個の微惑星がつくられた。微惑星同士が衝突・合体して地球ができ、その表面はマグマの海で覆われ、内部が核やマントルに分かれ内部構造が生まれていった。火星ほどの大きさの天体が地球に衝突して物質がばらまかれ、その一部が尽きになった。地球の水蒸気もこの時大半が飛び散った。このジャイアンインパクトがなければ陸地は水没したままだった。微惑星の一部に含水鉱物が含まれ、それが衝突するエネルギーで水は蒸発して大気成分となった。高温だった表面はゆっくりと冷えていき水蒸気は雲となり強酸性の雨となって海になった。それが地殻に含まれていた元素を溶かし多くの種類の元素が海に溶け込んだ。

44億年くらい前の地球にはほとんど陸地はなかったが、マントルへ潜り込んだ海洋地殻がとけてマグマができ、そのマグマが上昇して大陸地殻を作ったと考えられている。まわりが海と大気と地球磁場(太陽風を遮る)でおおわれ、内部は核とマントルに分かれ、生命が生息できる環境が誕生した。グリーンランドにある38億年前の地層に黒いシミの炭素の塊が1999年に見つけられ、地質学者ロージングが調査すると軽い炭素が濃縮されていることが突き止められ、この濃縮が何らかの生物の活動によるものだと考えられている。オパーリンは化学進化(1アミノ酸がつくられ2タンパク質や核酸がつくられて海中にたまり原始スープができ3タンパク質や核酸を包んだ原始細胞ができ、最初の生命が誕生)をとなえ、ミラーは原始地球の大気の再現実験により第1段階が再現される。マグマで温められた熱水噴出孔でアミノ酸がつながってタンパク質になる反応が起き、膜のカプセルが生命誕生へとつながったのではないかと考えられているが、いまだ生命がどうやって生まれたかはわかっていない。無機物から有機物が作り出されたというアプローチ、生物の先祖を辿りさらに原始的生命を探るアプローチの2つがあるが、ギャップは大きい。実験室の中で人工生命をつくるか、宇宙生命探査により現在もまだ探っている最中にある。

 

第2章

・大気には酸素がほとんどなく、酸素を必要としない単細胞の原核生物がいた。シアノバクテリアが大発生し光合成を行い酸素が放出され、寒冷化した地球の表面全体が氷で覆われ全球凍結が起きる。火山が放出する二酸化炭素が増え氷がとけて再び光合成を行う。DNAを膜で覆った核と呼ばれる器官をもつ真核生物が出現し、酸素呼吸する原核生物を細胞内に取り込み、酸素が増えつつある環境に適応していった。超大陸が誕生しそれが分裂して全球凍結し火山活動で全球凍結が終了。酸素濃度が高くなり単細胞生物とは違う多細胞生物が誕生し酸素を利用できる生物が生き残ったのかもしれない。複雑な感覚器官をもたないエディアカラ生物群が浅い海に誕生したが子孫を残すことなく絶滅。

 

第3章

 カンブリア紀になると短期間で眼をもつ生物が海中に登場し互いを発見し易くなった。殻をもつ節足動物が海を支配し、次に顎を手にした魚類が大型化した。植物が陸にあがり陸地は根に掘り返され陸地が有機物に富んだ粒子で覆われ土(土壌)が誕生した。昆虫が上陸を果たし水中で暮らしていた脊椎動物も上陸を果たす。2億5100万年前に大規模な火山活動により史上最大規模の大絶滅がおき、生態系をリセットした。大陸は離散集合をくり返し陸上動物は歩いて全世界に広がり恐竜が地上を支配した。超大陸が現在の大陸へ分裂。小惑星衝突により陸上の動物は8割前後絶滅。

 

第4章

 哺乳類の真獣類(有胎盤類)と有袋類がこの危機を乗り越えて新生代に入って多様化をみせる。サルは肉食動物の脅威から逃れるために木の上で生活。大陸どうしの衝突でヒマラヤ山脈ができ、猿人が出現すると森林が縮小し草原での生活を余儀なくされ直立二足歩行をはじめ、前足が自由になったことで道具を使い脳が発達。20万年前に新人とよばれるホモ・サピエンスが登場。エチオピアホモ・サピエンスの完全な頭骨化石が発見されアフリカ単一起源説が有力に。すべてのホモ・サピエンスの母方の祖先を辿ると16万年前のアフリカで生きていたミトコンドリア・イブと呼ばれる1人の女性に行きつくことが分かっている。