2023年2月10日第1刷発行
帯封「『超訳 ニーチェの言葉』の著者渾身の大作! この1冊で、思想・宗教・社会・歴史、人間心理…の全体像がざっくりつかめる。本物の『教養』を楽しめる!2000年の間、各時代のすぐれた人々が人生を賭けて真剣に考えたこととは?」「読みたいとは思ってもなかなか手を出しにくい古今東西の『名著』をできるだけわかりやすく解説! 座右の書がきっと見つかる!」
表紙裏「困難な時代を生き延びる『解決策』が手に入る! 哲学は、人間、社会、言語、歴史、生き方について誰も思いつかなかった切り方をして新しい断面を発見させてくれる“鋭いナイフ”である。ふだん目に見えていない隠れた構造をあざやかに解剖して見せてくれる“顕微鏡”である。そして、ときに高い上空から見せてくれる“ドローン”でもある。
Part1 人生をめぐる思考
1『自省録』マルクス・アウレリウス -あたかも1万年も生きるかのように行動するな
2『人生の短さについて』(『道徳論集』から)セネカ -叡智が与える人生の豊かさ
3『義務について』キケロ -人間の4つの徳とは?
4『教説と手紙』エピクロス -生きることは快楽だ!
5『プロポ』アラン -その思いを言葉にしてあげよう
6『幸福論』バートランド・ラッセル -人は死なない
9『偶然性の問題』九鬼周造 -偶然が人をつくる
10『同情の本質と諸形式』マックス・シェーラー -愛という名の知性
11『友情論』アベル・ボナール -本物の人間を発見せよ
12『死と愛』ヴィクトール・フランクル -ハロー、本当の自分
13『私たちはどう生きるべきか』ピーター・シンガー -政治より倫理だ
Part2 人間を洞察する
14『エセー』モンテーニュ -われわれは風のようなものだ
15『道徳的省察、または格言および箴言集』ラ・ロシュフコー -永遠の人間論
16『人間知性論』ジョン・ロック -人間は白紙だ
19『パンセ』パスカル -人はすべて中間のみで生きられる
20『人間の教育』フレーベル -すべての内に神がいる
21『権威主義的パーソナリティ』アドルノ -やっかいな人々の研究
22『全体性と無限』エマニュエル・レヴィナス -そこにあるファシズム
23『人間の尊厳について』ピコ -自由意志の発揮こそ尊厳だ
25『存在と所有』ガブリエル・マルセル -わたしたちは溶けあっている
26『自殺論』エミール・デュルケーム -自殺とは怒りの表現である
27『ディスタンクシオン』ピエール・ブルデュー -上流階級に根拠などない
Part3 世界を別の目で見る
28『我と汝』マルティン・ブーバー -人間は二つの世界を生きている
30『エチカ』スピノザ -すべての原因は神だ
31『人知原理論』ジョージ・バークリー -物質は存在しない
32『人性論』デイヴィッド・ヒューム -考え方・味方にはクセがある
34『道徳的認識の源泉について』ブレンターノ -普遍的な道徳は人にある
35『プラグマティズム』ウィリアム・ジェイムズ -「役立つこと」の価値
37『なぜ世界は存在しないのか』マルクス・ガブリエル -意味の場が存在の条件だ
38『悲しき熱帯』レヴィ=ストロース -人間生活はみな同じだ
39『オリエンタリズム』エドワード・サイード -ヨーロッパ中心主義から抜け出せ
40『第二の性』ボーヴォワール -“女性らしさ”は社会的につくられた
41『女性の権利の擁護』メアリ・ウルストンクラフト -女は自分から変わりなさい
42『消費社会の神話と構造』ジャン・ボードリヤール -大衆は記号を買っている
Part4 政治・社会をめぐる考え方
43『大衆国家と独裁』シグマンド・ノイマン -独裁は大衆の性格につけこむ
44『大衆運動』エリック・ホッファー -つるむ連中のおぞましさ
45『大衆の反逆』オルテガ・イ・ガセット -「みんな」は危険な言葉
46『ウンコな議論』ハリー・G・フランクファート -その議論はなぜ議論ではないのか
47『これからの「正義」の話をしよう』マイケル・サンデル -「共通善」こそが我々の正義だ
48『正義論』ジョン・ロールズ -何が正義かは「無知のヴェール」から知られる
49『国家』プラトン -国家統治は哲学者にやらせろ
52『リヴァイアサン』トマス・ホッブス -国民国家を樹立せよ!
53『蜂の寓話 私悪すなわち公益』マンデヴィル -悪はおいしい調味料
54『社会契約論』ルソー -法はみんなの意志に沿うべき
55『道徳および立法の諸原理序説』ベンサム -幸福は計算できる
56『アメリカにおけるデモクラシーについて』トクヴィル -移民の集まりであることが民主制を容易にした
57『経済学・哲学草稿』マルクス -生産物は資本家のものではない
58『自由論』ミル -個人が自由なほど社会はよくなる
59『アナーキー・国家・ユートピア』ノージック -税金は必要ない
60『隷属への道』ハイエク -「集産主義」が自由を窒息させる
61『マルチチュード』アントニオ・ネグリ -国際企業に対抗する新勢力を待つ
Part5 言葉をめぐる探求
62『論理哲学論考』ヴィトゲンシュタイン -美や倫理は言語で表現できない
64『言語と行為』オースティン -言葉が行為をそそのかす
65『声と現象』ジャック・デリダ -差異こそが意味だ
66『言葉と物』ミシェル・フーコー -言葉一つで変わる世界
Part6 科学や方法について
67『ノヴム・オルガヌム』フランシス・ベーコン -偏見は4つある
69『厳密な学としての哲学』フッサール -とにかく思いこみはやめろ
70『民主主義と教育』ジョン・デューイ -絶えざる変化こそ教育だ
72『新しい科学的精神』ガストン・バシュラール -科学の発展は非連続的だ
73『正常と病理』ジョルジュ・カンギレム -ノーマルは本当にノーマルなのか
74『暗黙知の次元』マイケル・ポランニー -スキル以上の器用さの秘密
75『思考について』ギルバート・ライル -思考はカエルのようにジャンプする
76『ファスト&スロー』ダニエル・カーネマン -たまにはゆっくり考えろ
Part7 空想的な世界観の思想
77『ユートピア』トマス・モア -健康こそ快楽だ
79『純粋理性批判』カント -理性が認識の装置だ
80『知識学への第一序論』フィヒテ -理性とは自我のことだ
82『意志と表象としての世界』ショーペンハウアー -自分を棄ててしまえ
84『哲学』カール・ヤスパース -本当の自分になれば神の暗号がわかる
85『差異と反復』ジル・ドゥルーズ -真正なものはどこにもない
Part8 宗教をめぐる考え方
86『ウパニシャッド』 -この喜ばしき虚空よ
87『新約聖書』 -時間は一方向へと進む
88『告白』アウグスティヌス -時間とは心の拡がりだ
89『コーラン』(ムハマンド) -すべてはアッラーがすでに決めている
90『善なるもの一なるもの』プロティノス -世界の源へ帰れ
91『エックハルト説教集(離脱について)』エックハルト -内なる人はいつも幸福
93『キリスト者の自由』マルティン・ルター -信仰のみでOK
94『キリスト教綱要』ジャン・カルヴァン -救いは神によって選ばれている
95『キリスト教の本質』フォイエルバッハ -ガラクタ倉庫としての神
96『死にいたる病』キルケゴール -絶望の正体は自己疎外だ
97『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』マックス・ウェーバー -勤勉の生活スタイルの源泉とは
一つ一つ、着実に未読本を読んでいこうと思う。すべてを読むのは難しいかもしれないが、挑戦の心を忘れずに行きたいと思う。