生き物が老いるということ 死と長寿の進化論 稲垣栄洋

2022年6月10日発行

 

裏表紙裏「イネにとって老いはまさに米を実らせる、もっとも輝きを持つステージである。人間はどうして実りに目をむけず、いつまでも青々としていようとするのか。実は老いは生物が進化の歴史の中で磨いてきた戦略なのだ。次世代へと命をつなぎながら、私たちの体は老いていくのである。人類はけっして強い生物ではないが、助け合い、そして年寄りの知恵を活かすことによって「長生き」を手に入れたのだ。老化という最強戦略の秘密に迫る。」

 

目次

第1章 「老い」は「実り」である

第2章 「老い」が人類を発展させた

第3章 ジャガイモは死なない―死を獲得した生命

第4章 そして男と女が生まれた

第5章 限りある命に進化する

第6章 老木は老木ではない

第7章 「若さ」とは幻である

第8章 植物はアンチエイジングしない

第9章 宇宙でたった一つのもの

 

ジャガイモ、単細胞生物は死なない。種を残すのではなく、自分自身が分裂して死なない。20億年以上、生命は死ぬことなく生き続けていた。「死」は生命が獲得した戦略だった。では、なぜ老いるのだろうか?実はまだわかっていない。