堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 堤未果

2023年5月30日第1刷発行

 

裏表紙「『ショック・ドクトリン』とはテロや大災害など、恐怖で国民が思考停止している最中に、為政者や巨大資本がどさくさ紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことである。日本でも大地震やコロナ禍という惨事の裏で、知らない間に個人情報や資産が奪われようとしている。パンデミックで空前の利益を得る製薬企業の手口、マイナンバーカード普及の先にある政府の思惑など…。強欲資本主義の巧妙な正体を見抜き、私たちの生命・財産を守る方法とは?滅びゆく日本の実態を看破する覚悟の一冊。」

 

・マイナ保険証の危険性①カード作成は義務じゃないのに選択肢を奪って強制②医師や病院が追い詰められる③なくしたときの責任は誰にあるの?④実はデジタルより紙のほうが便利です(マイナ保険証を使うには4桁の暗唱番号が必要)⑤QRコード丸見え、セキュリティがザル⑥海外では問題だらけ-アメリカ政府が「カードは持ち歩くな」と警告

 アメリカの社会保障番号カードには「絶対に持ち歩かないでください」と注意喚起されている。最も深刻な事件は中国系ハッカーの攻撃で人事管理局から政府職員2150万人分の個人情報が漏洩。2017年には信用調査会社大手エキファックスがハッキング攻撃に遭い1億4500万人分の番号が個人情報とともに漏洩。流出したのは名前と住所と生年月日、運転免許証番号と社会保障番号、そして20万9000件にのぼるクレジットカード番号。

・海外でマイナンバー制度はどのようになっているのか。

 日本のような年金の受け取り口座や銀行口座、健康保険証に運転免許証、買い物に学校の成績に母子手帳など、ここまで多岐にわたる情報を1か所にまとめる個人番号カードを、ザル制度のまま一気に義務化しようとしている国は珍しい。韓国が日本のマイナンバーに最も近い。その分犯罪も多く、2014年には中国のハッキングで国民の7割の個人情報が流出。個人番号なしでも社会のデジタル化を進めているデンマークアメリカ、イギリス、オーストリア、台湾などに学ぶべき。

・マイナ身分証に反対したのは防衛相、外務省、警察庁内閣官房公安調査庁。これらの省庁はマイナ身分証を導入しなかった。理由は危ないから。

利用規約24条「マイナポータルの利用にあたり、利用者本人又は第三者が蒙った損害について、デジタル庁の故意又は重過失によるものである場合を除き、デジタル庁は責任を負わない」、25条「…合理的なものであるときは、本利用規約を改正することができる」など、隠された巨大な穴があることもほとんど知られていない。

・利便性を追究しただけで失敗した経験を活かし、エストニアは、国民の個人情報を責任を持って政府が死守することを最大の課題としてデジタル大国になった。

・コロナ禍で皆保険に入り込んだレムデシビルは2022年に1098億円を売り上げた。日本政府に申請してからわずか3日で承認されてから2年の間に493人の重篤患者と107人の死亡者数が報告され、WHOが推薦を取消、CDCへの訴訟でリスクが警告されたにもかかわらず、日本政府は2022年3月から「軽傷の陽性患者にも使用OK」と更にハードルを下げた。

・2022年10月、欧州議会ファイザーの幹部ジャニーン・スモール氏は「我が社のこのワクチンは、販売前に感染予防効果のテストなどしておりません」と述べたことから、欧州議会議員は記者会見を開き、国民は騙されていた、この巨大な嘘の上に西側諸国の政府が乗かかったと訴えた。

・利害関係者は有識者会議に入れないというルールを附帯決議に設けるところまで行ったことは評価されてよい。地方分権一括法を根拠に太陽光発電規制条例を導入する県や市町村は複数ある。条例違反でFIT認定の取り消しを可能にする再生可能エネルギー特別措置法も効果的に使える。

・世界最大の化石燃料を消費している真犯人は誰か。世界の軍事費は過去最高2400億ドルに達した。ダントツ1位はアメリカ国防総省。空軍燃料費だけで年間50億ドル。COPで問題にならないのは京都議定書で外していた。

 

世界の政治パワーゲームほど、恐ろしいものはない。