帯封「疫病、災害、戦争、宇宙人-人類を襲う未曽有の危機に対して、各国政府はどのように情報を発信してきたのか。それぞれの宣伝戦術を、豊富なビジュアルで知る。『人類はこれをもって備えよ!』」「漏れなく周知することをめざすプロパガンダ・アートの進化 1パンデミック 2自然災害 3核戦争 4宇宙人の侵略 『肝心なのは情報の質と伝え方だ…少しでもやり方を間違える…長年にわたって国民の信頼を損ねる危険性がある』『どの国にもその国独自の文化やイデオロギーがある。それは、政府が国民に伝える内容も国によって異なるということだ』」
表紙裏「自然災害や戦争に立ち向かうために、各国政府が準備したマニュアルの進化を、豊富なビジュアルで知る 20世紀に入って、各国政府は危険から身を守る方法を国民に周知することに着手した。時代とともに、印刷メディアから放送メディア、そしてインターネットへと利用媒体は変わる。と同時に、識字率に合わせた表現方法や、新たな知見の追加、国民から信頼されるための工夫、多元的な発信など、表現方法も常に進化してきた。近年は商業広告の戦略を積極的に取り入れている。さらに本書が注目するのは、各社会の体制によって、目指すべき防災・防衛の形が異なっている点だ。表現方法や優先順位といった違いが、どのように表れているのか。『パンデミック』『自然災害』『核戦争』『宇宙人の侵略』の4章に分けて、プロパガンダ・アートとしての防災・防衛資料の変遷をたどる。」
目次
はじめに
1 パンデミック
結核 スペインかぜ アジアかぜ/香港かぜ HIV/エイズ 新しいウイルス
2 自然災害
気象災害 大地が動くとき 林野火災と戦う 自然の中で生き残る
3 核戦争
核攻撃に備える シェルター 爆風と死の灰
4 宇宙人の侵略
我々は平和の使者 そこに誰かいますか? 果たして真相は?
英国防空圏内における未確認空中現象(UAP)国防相(2000年、英国)
本当にUFOが存在するような写真が掲載されている。やはりUFOは実在する?
著者タラス・ヤング
歴史および文化について、いっぷう変わっていて、世に知られていなかったり、忘れ去られているようなことを研究している。2019年に刊行された著書『英国の核戦争』(未邦訳)は、核攻撃に備えて英国政府が作成した広報資料のビジュアルヒストリーとして高い評価を得た。「BBCヒストリー」などの歴史や文化を扱う雑誌、ウエルカム・コレクションのウェブなどに寄稿している。
西欧各国やアジア(日本や中国、インド)で1から4についてビジュアル中心に紹介しているので、簡略に書き著わすことは困難。だが、眺めているだけでも面白い本だと思う。
「核攻撃に備える」の項で各国が「かがんで隠れろ」を教えているというのには驚いた。広島・長崎の角盤投下後の惨状を訴える必要があると思う。核攻撃には備えることはできない。したがって核の根絶を訴える必要がある。防毒マスクの付け方マニュアルも同様だと思う。