J・K・ローリング「ハリー・ポッター」の奇跡 チャールズ・J・シールズ著 水谷阿紀子訳

2008年8月初版第1刷発行

 

ハリー・ポッター(最終巻)『ハリー・ポッターと死の秘宝』が2007年7月21日全世界で一斉に発売されると、わずか24時間の間にアメリカとイギリスだけで1100万部が売れ、アメリカでは830万部、第6巻の690万部を大きく上回った。2008年6月現在、67か国語に翻訳され、世界の200か国以上でおよそ4億部売り上げた。第5作「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」までの全世界での興行収入は合計44億8500万ドル(4621億円)を突破し、「007」を抜いて史上最もヒットしたシリーズに。ガーディアン紙の最も影響力のある英国人50人では13位に入る。フォーブス2008年度「世界長者番付」でローリングは9位に輝き、現在ローリングの資産は10億ドル(およそ1300億円)に上ると言われている。25歳の時、マンチェスターからロンドンに戻る列車の中でハリー・ポッターのアイデアが浮かび物語を書き始め、厳しい生活環境の中、1作目を書き上げブルームベズリーが「ハリー・ポッターと賢者の石」の版権を(なんと)50万円で取得。当初は500部の出版契約だったという。アメリカの出版社がブルームベズリーから1300万円で版権を買い取った後、爆発的に売れ行きを伸ばし映画化もされ、遂に史上最高のファンタジー物語へと上り詰めていく。著者は読みたいものを書いただけだというが、それがこれほどの爆発的な人気を得るに至ったので様々再評価されているようだが、単純に夢がありドラマがあり、ハリー自身の成長の姿があり覚悟を決めて戦う場面があり、よくできているストーリーだと思う。原作は読んでいないが、映画はどれもこれも一度見たら忘れられないものだった。人々から飽きる前に次から次へと新作を出し続けていったのも成功の大きな秘訣だったようだ。こんな物語がいつかは書けるようになってみたいと思うが、さすがにそれは無理。諦めるしかないかな。