2017年6月10日発行
・自殺を放置しておいて生命尊重を言うのは偽善ではないか。自殺を放置しているのは自分の命すら尊重しない人間は生きる資格がない、世間に迷惑をかけないで死んだ方がましというなら人命尊重でなく世間尊重である。世間を見限る奴は同情に値しない。それが世間の本音ではないのか。
・『朗読者』(ベルンハルト・シュリンク著、新潮社)というドイツ小説は久しぶりにロマンを詠んだという気がした。
・免疫学者の多田富雄氏は喝破した。「男は現象だが、女は実体だ」と。実体のみが力を持つ世界を、私は文化とは呼ばなない。それはじつは野蛮な世界である。
・日本語は抽象思考に意外に向いており、英語は向かない。英米系の哲学が、経験主義に傾いたり、プラグマティズムに傾いたりするのは、英語という言葉の癖によるのではないかと、私は疑っている。
変わった視点をお持ちの方のようです。でも、時に、ドキッとさせられる。