2008年11月20日発行
新婚の結婚式で島全体が浮かれた時に、大型の船を奪い、食料を調達して、逃亡する計画を孫太郎は仁兵衛たちと立てた。島に着いて早5人が死んでいた。ところが計画がバレて仁兵衛たち4人が海賊に売り飛ばされてしまう。孫太郎は猛毒をもつトカゲを平手でつかみ、ブアヤンを倒した功績で平民になった。これが却って災いし、孫太郎は海賊に売り飛ばされた。孫太郎は再び奴隷のように扱われ、再び逃亡を企てたが、逃亡するのを察知されたため信頼を得ていた主人の信頼も失った。水夫と一緒に首狩り族に売られそうになり、孫太郎は首狩り族の首長の首を斬り落として逃走した。あわや孫太郎が追手の勇者の刃に斬りつけられる直前、長年連れ添ったクロの牙が勇者の首を捕らえ、クロは断末魔の叫びをあげた。今では漂流者のほとんどが死に絶え、何人かとは生き別れとなり、幸五郎と2人きりになった。首狩り族の首長の首を獲ったことで再び平民に引き上げられた孫太郎は幸五郎と一緒に帰る日を夢見ていたが、幸五郎は病にかかり、明日をも知れぬほど容態が悪くなった。幸五郎は一時の安息が訪れると、孫太郎の父を仲間と一緒に殺したのは幸五郎の父で、今回の水夫から強請られたので殺したことや逃亡計画を立てた時に仲間を売ったのも自分だと打ち明けた。翌日、幸五郎は死んだ。一人切りになった孫太郎は幸五郎と同じ症状が出て床に臥した。ボルネオから漂着した女奴隷の看病のお陰で一命を取り留めた孫太郎は女奴隷アニタと一緒にアニタの故郷に戻ることが出来た。仁兵衛は日記に孫左衛門を殺した経緯を書き記した。飢えた我々は殺された水夫3人の遺体を煮込んで食べたが、孫左衛門だけは手をつけなかった。生き残った8人のうち孫左衛門だけ別に暮らした。その孫左衛門が久々に洞窟に現れた姿が神々しかった。孫左衛門を投石で殺したのは自分たちだった。が良心の呵責に苛まれて死ぬ者も出たが、生き延びた5人は一切口外しないと誓いあった。孫太郎や雪江の面倒は私が見るのが一番よいと周囲から勧められ、恥知らずと蔑まれようと、お前を愛した。アニタの親は孫太郎をアニタと結婚させて家を継がせようとしたが、孫太郎は帰郷の想いを捨てきれないでいた。アニタは独り身を通し孫太郎の気が変わるのを待った。孫太郎は中国人に雇われた警護団長として海賊と戦った。長崎に帰ることができるようになった孫太郎は途中で仁兵衛と再会し、日記を託された。孫太郎は父が海神さまにならしたとかも知れんと感動を覚えた。孫太郎は今度は自分が海神になる決心をし、帰国は仁兵衛に譲り、自らはアニタや子のために残ることにした。それから1年後孫太郎は帰国した。アニタの死という悲しい出来事があったからだった。